泉・明石市長、川崎重工業の課税データをツイッターに無許可投稿 議会が追及「守秘義務違反」
2022/03/04 20:15
泉房穂市長
兵庫県明石市の泉房穂市長が、同市内に工場を持つ川崎重工業の課税データを無許可でツイッターに投稿し、10日ほど後に削除していたことが分かった。明石市議会で4日、市議が守秘義務違反ではないかと追及し、泉市長は「以後気をつけたい」とする一方、「法律違反はない」と述べた。
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投稿されたのは2014~21年に同市が同社に課税した法人市民税について、年度別の課税額が載った書面の画像。2月12日、泉市長が議決の取り消しを求めている「工場の緑地面積率引き下げ条例」に関するツイートに添付されていた。
書面は、法人市民税のうち黒字の法人だけが払う法人税割の「0」が続いた部分に色付けし、泉市長は「ゼロってなんだかなぁ」などとコメントしていた。
地方税法は、税の徴収に関する事務従事者に対し、知り得た秘密を漏らすことを禁じている。2年以下の懲役または100万円以下の罰金を定める。
市議の一般質問に、泉市長は同社の許可を得ず投稿していたと認めた。書面は市長が市職員に作成させたという。泉市長は「大きな企業が市内にあるほど税収は増えるといわれるが、実はそうではない。ほとんど税金を払っていない事実があるならば、政策判断を伴うので公共性のあるテーマだ」とし、投稿は違法ではないとの見解を説明した。
市議は「法律の範囲でやってほしい。税情報を許可なく流されると、納税者が不安に感じる」と求めた。
川崎重工業は神戸新聞社の取材に対し「回答する立場になく、特にコメントはない」としている。
(長尾亮太)