朝鮮学校への補助金巡り弁護士に一斉懲戒請求 兵庫県内外の19人に賠償命令 神戸地裁

2022/03/17 17:52

神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 朝鮮学校への補助金の交付を求めた全国の弁護士会に対し、懲戒請求が相次いだ問題で、不当な請求で人権を侵害されたとして、神奈川県弁護士会に所属する在日コリアンの女性弁護士が、兵庫県などに住む懲戒請求者19人に損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、神戸地裁であった。斎藤聡裁判長は計209万円の支払いを命じた。 関連ニュース <随想>方政雄 共生の家島朝鮮小学校 在日の埋もれた歴史 家島の朝鮮学校モデルに舞台「五十四の瞳」姫路公演控え 作者の鄭義信さん背景を解説 家島諸島「西島」に朝鮮学校があった… 戦後に全国唯一、在日コリアンと日本人が一緒に学ぶ

 訴状などによると2017年ごろ、朝鮮学校への補助金停止に同弁護士会が反対声明を出したことに対し、所属弁護士への懲戒請求が一斉に申し立てられた。声明に反発する特定のブログの呼び掛けに応じた動きとされ、「違法である補助金支給声明に賛同することは確信的犯罪行為」などの内容だったという。
 これに対し、女性弁護士は20年10月に「人種差別を受け、人格権を侵害された」として、神戸市や兵庫県尼崎市などの男女らを提訴。判決は懲戒請求者19人にそれぞれ11万円の支払いを命じた。
 同様の懲戒請求は全国で相次ぎ、各地で弁護士が請求者を提訴。賠償を命じる判決が続いている。

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