「皇族の産殿」が現存 姫路・旧藤森家住宅など国登録文化財に答申 文化審議会
2022/03/18 17:00
国登録有形文化財に選ばれた旧藤森家住宅の本館(姫路市教育委員会提供)
国の文化審議会(佐藤信会長)は18日、国登録有形文化財(建造物)に、新たに90件を加えるよう末松信介文部科学相に答申した。兵庫県内では、姫路市船橋町の旧藤森家住宅など2カ所の計10件が選ばれた。
関連ニュース
だしのうまみ味わう料理店 国登録文化財の建物にオープン 県産食材使いランチやディナー提供 福崎
石臼ときねで餅つき体験 丸めて児童ら手真っ白に 西脇・旧来住家住宅
築100年の名建築で過ごすひと時! 姫路で弦楽と名画を楽しむ
県教育委員会によると、旧藤森家住宅は姫路城に近い市中心部にあり、参議院議員なども務めた開業医藤森真治が1940年に建てた。約2千平方メートルの敷地に建築家海老原一郎が設計した本館など8棟があり、洋風の応接室や良材を使った数寄屋風の座敷は姫路の政財界の会合にも使われた。
藤森は、陸軍の連隊長として姫路に赴任していた皇族賀陽宮恒憲王の主治医を務めた縁で、王妃の出産のために建てた産殿を敷地に移築。現在も残っている。皇族の産殿は出産後に解体するのが通例で、現存するのは貴重だという。
また、既に管理棟など6棟が登録されている甲南女子中学・高校(神戸市東灘区)の茶道教室と西門守衛室も、新たに選ばれた。
県内の同文化財は計221カ所747件となった。(古根川淳也)