地価、コロナ禍下落に歯止め 商業地が横ばい 兵庫県内 神戸は2年連続マイナス

2022/03/22 16:50

兵庫県内の商業地で最高価格となった三宮センター街周辺=神戸市中央区(撮影・中西幸大)

 兵庫県内の公示地価は、商業地平均が前年比横ばいとなった。都市部は飲食店が集積する神戸で前年に続いて下落した半面、阪神は上昇した。住宅地平均はマイナス0・1%と14年連続で下落したが、神戸や阪神、東播磨は2年ぶりに上昇し、新型コロナウイルス感染拡大による下落傾向に歯止めがかかった。 関連ニュース 【写真】西宮、3年連続関西「住みたい街」1位 コロナ禍でも変動せず 兵庫県内の商業地、2年連続で下落 住宅地は尼崎、西宮など11市区がプラス 姫路駅前地価9年ぶり下落 経済情勢の悪化が主因か

 商業地は阪神南、阪神北、東播磨、北播磨の4地域で上昇し、中播磨は横ばい、但馬、淡路、西播磨、神戸、丹波の5地域は前年より下落した。
 神戸は前年比0・3%減で、2年連続で下落した。神戸・三宮の三宮センター街がある神戸市中央区三宮町1は、1平方メートル当たり612万円で県内最高価格だったが、同5・8%減で、同じ三宮の東門街がある同区中山手通1(同6・7%減)に次ぎ県内で2番目に高い下落率となった。
 県不動産鑑定士協会の尾崎潤副会長は、飲食店やホテルの影響としながら「昨年秋以降は下落が弱くなっている。にぎわいが回復しつつある」と話す。
 阪神南は9年連続、阪神北は7年連続で上昇した。交通利便性が高く、マンション需要などが伸びたとみられる。東播磨(同0・4%増)と北播磨(同0・1%増)は2年ぶりに上昇した。但馬と淡路、西播磨、丹波はそれぞれ27年以上連続の下落となった。
 住宅地は、阪神南、東播磨、阪神北、神戸の4地域がコロナ禍を経て2年ぶりに上昇し、同県芦屋市船戸町が1平方メートル当たり63万5千円と2年連続で最高価格となった。
 神戸市灘区などアクセスに優れた地域が上昇しているといい、尾崎副会長は「住宅ローンの低金利が住宅需要を下支えしている」との見方を示した。(小谷千穂)

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