神戸連続児童殺傷事件 山下賢治さんの手記全文「彩花の存在、薄れることはない」
2022/03/23 08:00
娘の彩花ちゃん、妻・京子さんへの思いを語る山下賢治さん=神戸市須磨区の自宅
最愛の娘・彩花が10歳でこの世を去って25年、彩花が生きた時間の倍の歳月が流れようとも彩花の存在が薄れることはなく、私たちの心にしっかりと根を下ろしています。事件後、想像を絶する絶望に陥りながらも、歩み続けることができたのは、妻・京子の存在が大きかったのですが、闘病の末、5年前に亡くなってからは、周囲の皆さまからたくさん支えていただきました。妻が事件から丸20年の時につづった手記の言葉は、今も私の胸に刻まれております。
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「私たち家族が20年をかけて学んだのは、“試練の中でこそ魂が磨かれ、人の幸せを願う深みのある優しさと、倒れても立ち上がろうとする真の強さが育まれる”ということです。家族の絆もさらに強くなりました。それらは決してお金で買うことができない宝物であり、彩花が命をかけて教えてくれたことに他なりません。これからも、体験し学んだことを丁寧に社会にお返ししていくことが、私たちの役目だと思っております」。
加害者の男性からの手紙は、2018年から届いておりません。被害者家族に対して償う気持ちがないのでしょうか。私なりの方法で、今後も「償いと謝罪」を求めていきたいと思っております。