「いばらの道歩き続けている」連続児童殺傷事件25年 彩花ちゃんの父、加害男性に償い求める
2022/03/23 08:00
山下彩花ちゃん
1997年3月、神戸市須磨区の連続児童殺傷事件で襲われた山下彩花ちゃん=当時(10)=が亡くなってから、23日で丸25年となる。彩花ちゃんの父、賢治さん(73)が命日に合わせ、神戸新聞に手記を寄せた。2017年に世を去った妻の京子さんが残した言葉に自らの心情を重ね、謝罪の手紙が途絶えた加害男性に対しては、償いの姿勢を示すよう求めた。
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事件は1997年2~5月、神戸市須磨区で発生。小学生5人が襲われ、小学4年の山下彩花ちゃんと小学6年の土師淳君=同(11)=が死亡した。殺人などの容疑で逮捕された中学3年の少年=同(14)=は、関東医療少年院に収容され、2005年に退院。15年には遺族に無断で手記を出版し、18年からは遺族に謝罪の手紙も届かなくなった。
動植物を慈しみ、履いていた靴にも感謝の気持ちを忘れなかったという彩花ちゃん。須磨区の自宅には今も「あるいたり、走ったりしておつかれ!!ガンバッテくれてありがとう」と彩花ちゃんが書き添えた、スニーカーの絵が飾られている。
生きていれば35歳。澄んだ心を持った彩花ちゃんが幸せな家庭を築いている姿を賢治さんは思い浮かべる。
「25年間、いばらの道を歩き続けている」と語る賢治さん。「私も若くないし、息子の代にも引き継ぎたくない。加害男性には償いの気持ちを手紙で形にして、未来ある子を手にかけた罪の重さをかみしめてほしい」と願っている。(大橋凜太郎)