コロナ禍の春闘 「業務は過酷、見合う待遇を」エッセンシャルワーカーら訴え 日本郵政の組合はスト

2022/03/24 05:30

待遇改善を求めてストライキを実施した郵政産業労働者ユニオンの組合員ら=神戸市中央区栄町通6

 春闘が大詰めを迎える中、新型コロナウイルス禍で奮闘してきたエッセンシャルワーカーらが待遇改善の訴えを強めている。兵庫県内では、日本郵政グループ社員らの組合がストライキを実施した。看護師や介護士らが所属する組合も、賃上げの実現に向けて議論を本格化させる。(小谷千穂) 関連ニュース 闘病、コロナ禍、望郷…人生を歌に込めた460首 姫路の楠田立身さん、第6歌集「益城」出版 JR西、明石の新幹線車両基地の整備を断念「コロナ禍前の利用水準に戻らず」 市に伝達 コロナ禍に子猫をお迎え 警戒心が強く抱っこが苦手→ゴロゴロとリラックスする姿に家族みんなが癒される


 日本郵政グループの正社員や非正規社員でつくる「郵政産業労働者ユニオン」は全国一斉ストを実施し、今月中旬、神戸市中央区や灘区の郵便局前などで集会を開いた。
 マイクを握った組合員らは「コロナ禍の社会生活を支えた全社員に対し、賃上げできないとは納得がいかない」と主張した。コロナ感染などで収入が不安定になりやすい非正規雇用者について「正社員との賃金などの格差是正を。希望すれば正社員に登用できるようにして」と求めた。
 さらに人手が不足しても配達物の数は減らないことから「感染者と接触した可能性があっても休めない職場がある」として、人員を増やすよう訴えた。
 県内の病院や介護施設の15労組が所属し、看護師、介護士ら約1700人が加入する「県医療労働組合連合会」は、コロナ禍の繁忙を訴えて月額約1万5千~4万円の基本給アップを要求する方針だった。
 しかし、組合員の複数の職場でオミクロン株によるクラスター(感染者集団)が発生したため、要求書を提出できず、会社回答は4月末にずれ込む見通しという。
 県医労連の門康之書記長は「現場はコロナ対応で疲れていて組合活動はやりにくい」と明かしながら、「業務の過酷さに見合う待遇に近づけたい。賃上げだけはなんとかしないと」と強調する。
 政府は2月から、コロナ感染症に対応する介護士や保育士の収入を月額平均9千円、看護師の収入を同4千円引き上げる施策を示している。門書記長は「額は少ないが、焦点を当ててもらったことをチャンスと捉えて訴えたい」と話している。
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