ポーアイスポーツセンター、5年後開業へ再整備 プール拡充、全国大会誘致 フィギュア坂本選手も練習

2022/03/24 17:38

練習を公開したフィギュアスケート女子で北京冬季五輪代表の坂本花織=2022年1月11日、神戸市中央区(代表撮影)

 北京冬季五輪フィギュアスケート銅メダリスト坂本花織選手(神戸学院大)の練習拠点としても知られる神戸市立ポートアイランドスポーツセンター(中央区港島中町6)が、再整備で生まれ変わる。開設40年以上を経て老朽化が進んでおり、市が隣接地に新たな施設を建てて2027年度の開業を予定。メインプールの機能を充実させて全国大会の誘致につなげ、スケートリンクへの切り替えに伴う休止期間の短縮も目指す。(初鹿野俊) 関連ニュース 兵庫初の冬季五輪メダリスト誕生「夢を実現、本当にうれしい」 坂本、三浦に祝福の声 フィギュア銅・坂本花織の母校、所属先が祝福「知らないうちにわーっと力入った」 新神戸トンネル、ポーアイまで延伸へ 神戸市が事業着手 三宮周辺の渋滞解消、空港アクセス改善

 現施設は1981年に完成した。メインプール(50メートル、8レーン)とサブプール(飛び込み用)を備え、夏季(5~9月)は水泳に使い、冬季(10~3月)はそれぞれスケートリンクとして使用。ほかに通年使えるプール(25メートル、5レーン)もある。
 老朽化に加えて近年、指摘されてきたのが機能充実の必要性。メインプールは近畿、県レベルの大会や、貸し切り利用に多く使われるが、日本水泳連盟が定める全国級大会の公認基準は満たしていない。最も深い所は2メートルもあり、一般利用者に使いづらい点も課題とされてきた。
 さらに、プールとスケートリンクを転換するために秋と春に計約2カ月半も使えない時期があり、短縮を望む声が上がっていた。
 市の再整備基本計画案では、メインプールを水連公認の全国大会が開ける10レーンに増やし、可動床を取り入れて一般利用にも対応。通年プールも可動床、8レーン以上にし、これまで無理だった一般的な大会での利用を見込む。
 サブプールは水深を浅くして6レーン以上にし、大会でも使えるようにする。スケートリンクとの切り替えに必要な休止期間は、可動床の導入によって約1カ月半に縮まる。
 観客席(固定席)は現在の2500席から3千席に増やし、仮設席を設けることもできる。大会運営に必要な諸室も拡充する。新施設は現在地の西側に建設。整備費は概算で125億円を見込み、民間資金を活用するPFIの事業手法を検討している。
 市は「坂本さんら選手の競技力向上や、市民の健康づくりができる施設にし、ポートアイランドの活性化にもつなげたい」とする。
 市は、計画案についての市民の意見を31日まで募集中。資料は市ホームページで公開し、市役所1号館や各区役所まちづくり課でも見られる。

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