改正少年法施行に「犯罪の経緯を十分に考慮する」 神戸家裁所長着任の永井氏

2022/03/29 05:30

会見に臨む永井裕之神戸家裁所長=神戸市兵庫区荒田町3

 神戸家裁所長に3日付で着任した永井裕之氏(63)が28日、神戸市兵庫区の同家裁で会見した。改正少年法施行や調停制度100周年といった節目を迎える中での着任に「円滑で適切な解決がなされるよう、環境整備に努めていかなければならない」と力を込める。 関連ニュース <随想>土師守 報道の力 イスラーム映画祭10周年、12本公開 3~9日神戸・元町映画館 専門家招きトークセッションも 再開発進む「神戸・新港町エリア」回遊マップ完成 新アリーナや「アトア」など16施設紹介

 東京都出身で中央大を卒業し、1986年に任官。大阪地裁や大阪家裁で裁判官を務め、宮崎地裁・家裁所長、大阪高裁裁判官などを歴任した。
 会見で「利用しやすく親切な裁判所を目指したい」と抱負を述べた永井氏。神戸家裁でもウェブ会議での調停が始まるとし、デジタル化推進による利便性と質の向上に期待を込めた。4月には改正少年法が施行され、18、19歳への厳罰化が図られるが、「犯罪の経緯に関する事情の軽重を十分に考慮し、決定がなされるようにしなければならない」と気を引き締めた。
 神戸での勤務は初めてで、街の印象を問われ「坂が多い。細かい道が多く、歩きがいがある」と笑顔。文房具を集めることが趣味で「万年筆とか新しい物が出ると集めたくなる」といい、「神戸に古くからある文具店にも立ち寄ってみたい」とほほ笑んだ。(篠原拓真)

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