JR三ノ宮駅新ビル 県内最大規模の32階建て 高層階にホテル、31階はレストラン

2022/03/30 20:10

JR三ノ宮新駅ビルのイメージ図(JR西日本提供)

 JR西日本が2029年度に開業を予定する三ノ宮駅新ビルについて、同社は30日、完成イメージ図を公表した。外観は白色を基調にして曲線を多く取り入れ、「ドレスを身にまとっているような」(同社)デザインに。神戸の玄関口に新たなランドマークが誕生することが期待される。総事業費は約500億円になる見込みという。 関連ニュース 【写真】ガラスを多用し、吹き抜け空間を設けた南側正面玄関 【イラスト】都心・三宮再整備の全体図 神戸港に海上ロープウエー構想 21年度調査へ

 地上32階、地下2階の新ビルは高さ約160メートル、延べ床面積約10万平方メートル。神戸市が三宮駅南東側に計画している再開発ビルとともに、高さ、面積とも兵庫県内最大規模となる。神戸市が進める歩行者優先の駅前空間「三宮クロススクエア」の計画と一体的に整備し、にぎわいの創出につなげるとともに、三宮に乗り入れる鉄道6路線の乗り換えをしやすくする。
 ビルの地下1階~地上10階は商業施設(約1万9千平方メートル)が入り、神戸の地場産業や多様な食文化を発信できるようにする。12~17階はオフィス(約6千平方メートル)で、医療産業都市に関わる研究成果の情報発信や、市民の健康増進につながる体験スペースを設けることなども検討する。
 同ビル3階と隣接の商業ビル「ミント神戸」をつなぐ屋外デッキ(約2500平方メートル)を整備し、待合空間として利用できるようにする。18~30階はホテル(客室数約250室)とし、31階はレストランが入る。
 外観について、同社は「進取の気性に富み、上品かつ優美で洗練された神戸のまちを表現した」と強調。南側の正面玄関はガラスを多用し、1階部分に吹き抜け空間を設けるなど開放的なデザインにした。
 三ノ宮駅ビルの建て替えは、同社が大阪駅、広島駅と並ぶ「三大プロジェクト」に位置付けている。23年度の着工を予定する。
 同社は新型コロナウイルス禍の影響で業績が大幅に悪化。来春から一部区間での値上げを発表した。同ビル建設の判断について、同社は「エリアの回遊性、にぎわいが向上し、鉄道利用客が増えることで収益性を確保できると考えている。(同社の)成長につながるプロジェクトだ」としている。(三島大一郎)

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