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「昭和にこんな面白い喜劇役者がいたことを思い出していただけたら」と話す藤山直美(右)と藤山扇治郎=大阪市北区
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「昭和にこんな面白い喜劇役者がいたことを思い出していただけたら」と話す藤山直美(右)と藤山扇治郎=大阪市北区

 松竹新喜劇の大スター・藤山寛美の三十三回忌追善公演が5月から大阪、東京、京都で催される。娘の藤山直美と孫の藤山扇治郎がそれぞれ寛美の当たり狂言を演じ、在りし日の姿を「偲(しのぶ)面影」と題して上映。直美は会見で「今回で追善公演は区切りとしたい」と明かし、「うちのお父さんを超える役者さんが出てくるのが一番の追善」とおいの扇治郎らに夢を託した。(田中真治)

 寛美は幼くして関西新派の二枚目だった父・秋美を亡くし、花柳章太郎の勧めで子役に。喜劇に転じると「アホ役」で脚光を浴び、テレビで人気が爆発した。舞台でも244カ月連続公演の記録や、当日の観客から演目を募る「リクエスト公演」など前代未聞の企画で、あっと言わせた。

 「俳優としたら、次元の違う人」。そう評する直美は1990年2月、新喜劇に初めてゲスト出演。その3カ月後、寛美が60歳の若さで急逝すると、父の持ち役を女性に替えて、節目の舞台を飾るようになった。今回は没後30年に企画され、新型コロナウイルス禍で延期となった公演だ。

 人情喜劇の「大阪ぎらい物語」(大阪・東京)では、船場の木綿問屋の「とうさん」役。手代へのいちずな恋心と、のれんを守る母親との触れ合いが情緒豊かに描かれる。「はなのお六」(京都)は、鼻が利くのが自慢の田舎娘が花のお江戸で大活躍する時代物。歌舞伎界から市村萬次郎らを迎える。

 「どちらもシャープな動きのある女の子で、だんだん大変になってきましてね。一つの区切りとして、ちゃんと演じたい」。父には「芝居を続けるなら歌舞伎を見なさい」と言われたといい、「歌舞伎の方ともお芝居が成立するのが、上方喜劇。若い座員の方には勉強になると思います」

 数多いレパートリーの中では「『人生双六(すごろく)』とか、下積みの人が大好き。喜劇王といわれても、人知れず劣等感を持ってたんでしょうね」。頑張っても、うまくいかない悲しみや悔しさ-。「そういう経験をした方が、新喜劇に共鳴してもらえる」との思いは強い。

 だが、元々男の物語として書かれた数々の名作は「私はどんなに頑張ってもできません」。それだけに、座員の扇治郎らによる継承への期待は大きい。

 扇治郎は「愛の設計図」(大阪・東京)と「えくぼ」(京都)に挑戦。師弟愛や夫婦の心の機微を、笑いと涙に包んで描く。寛美の生前の記憶はなく、「神様みたいな人」と仰ぎつつ、「作品を通じて学んでいきたい」と役に向き合う。

 「上方の喜劇をずっとさせていただく」という直美も60代。「うちのお父さんやったらどう過ごさはったか、空想ですけど、それをお手本に、気負わず前に進んでいきたい」

 大阪松竹座公演は5月3~26日、京都・南座公演は10月1~23日。チケットホン松竹TEL0570・000・489

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