壮大なスケール、明石海峡望む景観… 五色塚古墳で体感「時空超えた力届けたい」 SFアニメの楽曲制作・竹縄さん

2022/04/01 05:30

五色塚古墳を訪れた「HOWL BE QUIET」の竹縄航太さん=神戸市垂水区五色山4(※無断転載、二次利用を禁じます)

 神戸市垂水区にある「五色塚古墳」のアニメMVプロジェクトで、楽曲を作詞作曲したピアノ・ロック・バンド「HOWL BE QUIET」のボーカル竹縄航太さん(30)が3月末、初めて現地を訪れた。全長194メートルのスケールを体感し、「この圧倒される感じをお客さんに伝えたい」と意気込んだ。 関連ニュース 【写真】「ワンダリズム きみを呼ぶ声」の一場面 【写真】五色塚古墳舞台のSFアニメ「ワンダリズム きみを呼ぶ声」 「ごしきまろ」と巡る垂水「五色塚古墳」 支配者の墓か

 神戸市の担当者から遺跡の説明を受けながら「神聖な場所って肌で感じますね」と語った。明石海峡を望む景観には、思わずスマートフォンで写真撮影。「海、やばかったですね。久々に『ど広い』海を見たなあ」と喜び、文化財として保全されてきた歴史に感銘を受け、山側に住宅街が広がる風景にも驚いていた。
 アニメと楽曲は「目に見えない遠くの人とつながる」のが重要なテーマだ。古墳で「4世紀に造られたお墓があって、21世紀を生きる自分が同じ地にいるのは、すごくすてきで特別なこと。当たり前のようで当たり前ではない」と感じた。
 時間を超えて「何か残したいものがあるから残している。過去から受け取れるものがある。古墳を訪れて心が動かされた」。
 コロナ禍での2年余りは多くの人にとって「やりたいことをやれなかった、会いたい人に会えなかった」時間だったと振り返る。「でも、気持ちは消えない。薄れない。そんな思いを込めた。素直な気持ちで書けた曲です」という。
 「遺跡で感じた力をライブでお客さんにぶつけたい。壮大な力が生まれる曲に育ったらいいな」。神奈川県藤沢市出身。神戸には好印象を抱いてきた。「地元でなじみのある曲になってくれたら、ミュージシャン冥利に尽きますね。多くの方に届いてほしいです」と笑顔を見せた。(小林伸哉)

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