商業・医療モールも整備可能に 県住「青木団地」の建て替え計画 初の民間資本活用で
2022/04/14 05:30
兵庫県が県営住宅の建て替えに民間資本の導入を検討している青木団地の活用イメージ(県提供)
兵庫県営住宅「青木団地」(神戸市東灘区北青木1)で、県住初となる民間資本活用の建て替え計画について、県は事業者から寄せられた提案や意見を公表した。建て替え費用を従来より抑え、工事期間を短縮できると提案があったほか、商業・医療モールなどの整備が可能という。県は土地の売却益や建設コスト削減で25億円程度の効果額を見込み、2022年度内の公募開始に向けて条件整理を急ぐ。
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県は同団地の建て替え計画で、「民間資金活用による社会資本整備(PFI)」の導入を検討している。民間の投資や創意工夫を取り入れた、効率的な事業実施が狙いで、今回の場合、受注事業者に県住の建て替えだけでなく、余剰地の施設開発を自己負担で行ってもらう。県は完成した県住を買い戻して運営し、それ以外の土地所有権は事業者に売却。施設運営は事業者側に委ねる。売却益は23億円程度を見込む。
同団地は阪神電鉄深江駅の西約500メートルにある。1万6555平方メートルの敷地面積に5階と11階建ての計7棟314戸あり、築約40年が経過。容積率は建築基準法に基づく上限228%のうち148%にとどまり、活用が不十分だった。
県は、今年1月から民間事業者に「サウンディング(対話型)調査」を実施。建設会社やハウスメーカー、不動産会社など計15社が意見を寄せた。
建て替えでは、設計、工事、管理など必要な工程を一括発注すれば、建設コストを約5%(2億5千万円程度)削減できると提案があった。通常の工期は11年程度だが、入居者を周辺の賃貸住宅へ移転してもらうことを前提に、約6年で完了可能との見通しも示された。
県住エリア以外の余剰地では、商業施設や分譲マンション、多目的交流施設、カフェなどの整備案が寄せられ、15社とも事業への応募に意欲を見せたという。
県公営住宅整備課は「民間資本は活用する価値があると感じた。入居者や地元住民らに事業の意義を丁寧に説明し、理解を得たい」と話す。(金 旻革)