ミサイル攻撃に備え、地下に避難施設 神戸市、47カ所 全国初、地下駅舎など民間施設指定
2022/04/14 20:00
「緊急一時避難施設」に指定された、神戸・三宮の地下街「さんちか」=神戸市中央区三宮町1(3月撮影)
他国からのミサイル攻撃などに備えるため、神戸市は、新たに市内47カ所の地下施設を、国民保護法に基づく「緊急一時避難施設」に指定した。市有施設だけでなく私鉄の地下駅舎など、全国で初めて民間施設を指定。北朝鮮による弾道ミサイル発射が相次ぐ中、避難体制の強化を図る。
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同避難施設は弾道ミサイルの爆風など、直接的な被害から逃れるため、国が都道府県や指定都市に確保を促している施設。おおむね2時間程度の避難を想定し、長時間滞在や避難生活を送る場所ではないとされる。
同市は今回、市営地下鉄のほか阪神、山陽電鉄などの地下駅舎30カ所をはじめ、さんちかやデュオこうべなどの地下街5施設、地下道、地下駐車場などを指定した。市によると、民間事業者の地下駅舎や商業施設の地下部分を指定したのは同市が初めてという。
ロシアのウクライナ侵攻などで国際情勢は緊張が増しており、市は今後も指定施設を増やす方針。市危機管理室の担当者は「今回指定した施設は市街地に集中している。他の地域でも広く確保し、市民の安全につなげたい」としている。
同法では、外部の武力攻撃から国民の身を守るための「避難施設」指定を求めており、神戸市では公立の学校園など300施設を指定している。(三島大一郎)