劇団唐組、神戸で紅テント公演 前身・状況劇場の作品 29日から湊川公園
2022/04/15 10:30
せりふや設定は変えないが、「現代でも響くように作りたい」と話す久保井研=大阪市中央区
唐十郎率いる劇団唐組の紅テントが29日~5月1日、神戸・湊川公園(神戸市兵庫区)に建つ。演目は「おちょこの傘持つメリー・ポピンズ」。前身の状況劇場が1976年に初演した作品を初めて取り上げる。(田中真治)
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唐は88年、小劇場運動を四半世紀にわたりリードしてきた状況劇場を解散し、唐組を旗揚げ。阪神・淡路大震災後の96年には神戸に駆け付け、寺の境内に乗り入れたトラックの荷台を舞台に公演した。2012年に病で倒れて以後、座長代行の久保井研が演出を兼ね、旧作の再演を続けている。
作品の舞台はうらぶれた横町。傘職人・おちょこは修理を頼みに来たカナのため、空飛ぶ傘を作ってやろうとするが失敗続き。あきれる居候の檜垣は元芸能マネジャーで、町を出ようとする彼女が、担当していたスター歌手のスキャンダルの相手だと気づく。秘められた過去を巡って、男と女の物語が展開していく。
「唐らしいレトリックで人間模様が描かれていて、面白い」と久保井。相反する面を持つ登場人物からは「この不寛容な時代に、もっと曖昧でいいんじゃないという唐の言葉が聞こえてくる気がした」と話す。
息長い文体による膨大なせりふは「若く、筆が走ってる時期のもの」と推測。「書かれたスピードでしゃべらないとだめだが、体力以上に神経の上下動が激しい」といい、言葉で想像力を導くよう稽古を重ねる。
昨年、15年ぶりに神戸で公演。会場の湊川・新開地エリアは「人間くさく、芸能を受け止めるポテンシャルがある」と感じており、新たな観客との出会いを楽しみする。
おちょこを久保井、檜垣を稲荷卓央、カナを藤井由紀が演じる。
午後7時開演。雨天決行。前売り3800円、当日4千円。Trash2TEL090・8168・5353