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軍事侵攻から3カ月となるウクライナ情勢について解説する岡部芳彦教授=神戸市中央区港島1、神戸学院大ポートアイランドキャンパス
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軍事侵攻から3カ月となるウクライナ情勢について解説する岡部芳彦教授=神戸市中央区港島1、神戸学院大ポートアイランドキャンパス

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって、24日で3カ月。世界各国を巻き込んで情勢が揺れ動くが、いまだ終息は見通せていない。この間、双方の立場からさまざまな情報が発信され、信頼性について戸惑いの声も上がる。ウクライナの政治や文化が専門で、ロシアから入国禁止措置を受けた神戸学院大の岡部芳彦教授は、交流サイト(SNS)などの影響力を指摘する。主なやりとりは次の通り。

 ■現地情報の信頼性は

 -ウクライナ情勢について「一方的な情報が多い」「どのニュースが正しいのか分からない」という声がある。

 「要は、ウクライナ側とロシア側の、どちらの情報が確かそうか-ということ。ロシアは一般市民のSNSを制限したり遮断したりしているが、ウクライナはそこまでしていない。必然的に、ウクライナ側の情報の方が裏付けがとりやすく、ニュースとして広がっていく」

 「プロパガンダについては、ロシア側ばかり強調されるが、ウクライナ側もやっている可能性がある。この点は、忘れてはいけない」

 -今回の軍事侵攻のきっかけの一つに、2014年のロシアによるクリミア(ウクライナ南部)への侵攻が挙げられる。当時の報道はどうだったのか。

 「今回と正反対で、日本を含め、世界中にロシア側の情報が拡散した。だからこそ、ロシアは国際的な批判を浴びることなく、クリミアを併合することができた」

 「現在ほどSNSが浸透していなかったこともあるが、アメリカの情報発信の影響が大きい。当時のアメリカは、保持するさまざまな情報を出さないという判断をして、結果的にロシアの侵攻を許した。その教訓があったからこそ、今回は侵攻前から積極的に情報を流し、ロシアが主張する正当性を否定した」

 ■入国禁止措置「残念」

 -今月4日、ロシア外務省が無期限の入国禁止措置を公表した日本人の中には、ウクライナ研究会会長であり、日本ロシア協会常任理事でもある岡部さんも含まれていた。

 「ロシアには新型コロナウイルス禍でここ2年ぐらいは訪れていなかったので、実感はあまりなかった。それよりも、ロシア政府が冷静な判断を失っているような気がして残念だった」

 「リストアップは、在日ロシア大使館が主導したのだろう。従来の価値基準に加え、テレビ番組などをチェックして選んだようにしか思えず、『雑な仕事』という印象だ」

 ■日本からどう支援

 -事態が終息する見通しや日本からの支援は

 「率直に言って、見通せない。今月21日、(ウクライナの)ゼレンスキー大統領が『2月24日の侵攻前の状態まで(ロシア軍を)撤退させれば勝利だ』と発言しているが、そう簡単なことではない。2014年のクリミア併合から8年間にわたって続いてきた状況と同じような事態が、今回の軍事侵攻のエリアでも起こる可能性がある」

 「ウクライナへの直接的な支援としては、ウクライナ本土の物品を、通販サイトを通じて購入することが挙げられる。アメリカなど外国のサイトには、民族衣装や人形など、さまざまな物が売られている」

 「大事なのは、関心を持ち続けるということ。侵攻開始以前に、多くの人がウクライナ情勢に関心を抱いていれば、ここまでの戦闘にならなかったと思う。終息が見通せなくても、『知る努力』を続けてほしい」

(聞き手・小川 晶)

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