震災復興の功績に思い馳せる 2年前死去の元神戸大学長、新野さん しのぶ会に門下生ら250人
2022/05/07 19:45
約250人が集まった新野幸次郎元神戸大学長をしのぶ会=7日午後、神戸市灘区六甲台町の神戸大
阪神・淡路大震災からの復興に貢献し、2020年に95歳で亡くなった元神戸大学長、新野幸次郎さんをしのぶ会が7日、神戸市灘区の神戸大であった。井戸敏三前兵庫県知事や久元喜造神戸市長、五百旗頭真兵庫県立大理事長ら約250人が参列し、その功績や人柄に思いを巡らせた。
関連ニュース
環境カウンセラー西谷さん、「行動し、考える体験」のススメ 神戸大で講演
中学の部活動、マッチングアプリで生徒と指導者つなぐ 神戸大生が取り組み、原動力は「自身の経験」
神戸大で入試ミス 2年前の3年次編入の筆記試験、合否に影響なし
新野さんは鳥取県出身。1949年に神戸経済大(現神戸大)を卒業後、63年に神戸大教授となり、85年から6年間学長を務めた。退官まで計42年の教員生活では市場経済の構造研究などで業績を上げ、95年に阪神・淡路大震災が起きると兵庫県や神戸市の復興計画策定を主導した。
しのぶ会では、井戸前知事が「震災からの創造的復興が実現したのは、先生の卓見した目とリーダーシップによるところが大きい」と回顧。ゼミ生を代表し、田中康秀・神戸大名誉教授が「学問的な指導だけでなく、卒業後も個人的な相談に真摯にのっていただき、多くの門下生が励まされた」と感謝の言葉を述べた。
特設の思い出コーナーには、筆記用具などの遺品や代表的な著書、ゼミ生らとの写真が展示され、参列者が懐かしむように見入っていた。(竜門和諒)