哀れ「かっつん」バラバラ事件 名物「かつめし」PRキャラ、頭から崩落 「デミーちゃん」は無事
2022/05/09 15:55
壊された加古川市のかつめしPRキャラクター「かっつん」のモニュメント=9日、加古川市加古川町寺家町、ベルデモール商店街
兵庫県加古川市のJR加古川駅前にあるベルデモール商店街で9日午前、同市の名物「かつめし」をPRするキャラクターのモニュメント(同市加古川町寺家町)が破壊されているのが見つかった。一報を聞いて記者が駆け付けると、商店街の歩道に置かれる石像2体のうち1体が、脚の付け根から折られて台座の下に落ち、破片が飛び散っていた。近くの商店主は「まちを盛り上げようとして作ったのに、なぜこんなひどいことができるのか…」と言葉を失っていた。
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かつめしは、デミグラスソースのようなソースがかかったビフカツをご飯の上に乗せ、ゆでキャベツを添えて箸で食べる加古川市が発祥の料理。加古川観光協会によると、同市を中心に100店舗以上で提供されている。
PRキャラクターの名は「かっつん」と「デミーちゃん」で、2008年に誕生した。09年3月に同協会や地元商店街などが、かつめしの魅力を発信するためにモニュメントを制作。御影石でつくられ、高さ70センチの台座の上に、体高65センチのかっつんとデミーちゃんが立っていた。
壊されたのは、かっつんの石像。台座から落ちたかっつんは、顔が剥がれ、腕が折れていた。「愛する加古川の名物 かつめし」と刻まれた台座上には、無事だったデミーちゃんの横に、かっつんの頭から落ちたかつめしと脚だけが残っていた。
9日午前には、通報を受けた県警加古川署員らが、壊されたモニュメント周辺を調べた。近くの商店主らによると、8日夜には異常がなかったといい、9日朝にかけて何者かが壊したとみられる。
駆け付けた加古川観光協会の担当者は「2年前に頭のかつめしが落とされたことはあったが、こんなにひどい被害は初めて」と絶句。近くの商店主の男性(48)は「せっかく地域を活性化する起爆剤にしようと設置したのに…。こんなことをする人がいるなんて寂しい。残念で仕方がない」と話した。
同協会は、加古川署に被害届を出すという。
(斉藤正志)