宝塚月組「ブエノスアイレスの風」大阪で開幕 踊りの名手、暁千星が月組で最後の出演 華麗なタンゴ披露
2022/05/18 17:51
全編にアルゼンチンタンゴがちりばめられた舞台。ニコラス役の暁千星が光る=シアター・ドラマシティ
宝塚歌劇月組のミュージカル「ブエノスアイレスの風 光と影の狭間を吹き抜けてゆく…」が18日、大阪・シアター・ドラマシティで開幕した。1900年代半ばのアルゼンチン・ブエノスアイレスを舞台に、過去と決別し、新たな生き方を模索する男の葛藤を描く。本公演を最後に星組への組替えが決まっている暁千星が、月組での最後の出演・主演作に体当たりで臨んでいる。
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軍事政権が倒れ、民政となったアルゼンチン。政治犯として獄中にいたニコラス(暁)は特赦で釈放され、新たな人生を踏み出そうと街のタンゴ酒場を訪れる。そこでダンスの才能を見込まれ、酒場の踊り手イサベラ(天紫珠李)の相手として雇われることに。次第に心を通わす2人だが、ニコラスがかつての闘争仲間で親友のリカルド(風間柚乃)と再会したことで、運命の針が動き始める。
98年に紫吹淳、2008年に柚希礼音主演で上演し、人気を博した作品で、作・演出を正塚晴彦が務める。
劇団屈指の踊りの名手として知られる暁が華麗なアルゼンチンタンゴを披露する。バンドネオンのもの悲しい音色に、足をすってから蹴り上げる独特のステップの音が重なる。伸びのある歌声にも成長を感じさせ、終始、愁いを帯びた表情も新鮮だ。
破滅型のリカルドを説得する場面では相対する風間と、互いに力のこもった演技を見せて、舞台を盛り上げた。
月組育ちの暁が星組でどんな風を吹かせてくれるのか。期待が高まる月組ラストステージだ。
26日まで、23日休演。
(片岡達美)