「道の駅いながわ」移転中止問題 土地購入費の5億「前町長らに返金求めよ」 町議が地裁に提訴
2022/05/26 21:07
農産物直売所のほか観光案内や土産物売り場などが並ぶ=猪名川町万善
兵庫県猪名川町の「道の駅いながわ」の移転計画が中止になった問題で、同町の末松早苗町議が26日、岡本信司町長に対し、土地購入費約5億5200万円を、福田長治前町長や売り主らに返還させるよう求め、神戸地裁に提訴した。購入価格や契約の経緯などに不適切な部分があるとし、福田前町長に損害賠償を、売り主らに不当利得返還を求めている。
関連ニュース
【写真】老朽化が課題の公衆トイレ
「道の駅いながわ」移転 温浴施設など加え集客へ
35もの「道の駅」がある兵庫県内 …なのに、なぜか県南部の中央エリアが空白区 その事情を探る
町は2019年、道の駅を移転拡大させる計画を発表。建設や運営を民間が担う方式を採用し、21年3月に農地3・9ヘクタールを約5億5200万円で購入した。その後、入札に参加した事業者が辞退した。
訴状によると、売買価格は1平方メートル当たり1万4600~1万8千円で、原告は「農地1平方メートルの評価額は約2500円と考えられ、著しく高額」と指摘。事業者不決定時は町が土地購入を取りやめることができるとした当初の覚書が変更されたことなどを挙げ、「明らかに不合理で異常。土地売買契約は違法無効」とした。
末松町議は「不透明な部分は多く、司法で判断してもらいたい」と話し、同町は「訴状を確認し対応を検討したい」とした。