王位戦挑戦者に決まった豊島将之さん 返り咲きへ「しっかり準備する」

2022/05/31 22:08

将棋のお~いお茶杯第63期王位戦の挑戦者決定戦で池永天志五段に勝ち、感想戦で対局を振り返る豊島将之九段=大阪市福島区、関西将棋会館

 王位戦7番勝負に豊島将之九段が帰ってきた。 関連ニュース ひりつく名人戦、笑い交え大盤解説 兵庫ゆかり稲葉八段ら 藤井に挑む豊島、対局ハイレベル 3連覇の藤井王位「一局ごとに工夫して指せた」 東京で就位式、豊島九段との勝負振り返る 藤井、リスク負って攻勢を継続 挑戦者・豊島、必死の防戦及ばず 王位戦3連覇

 「しっかり準備して、いい内容の将棋を指せるようにしたい」と静かに闘志を燃やしている。
 前期の7番勝負では、藤井聡太王位に1勝4敗で挑戦失敗。昨年、自身がタイトルを保持していた竜王戦、叡王戦でも藤井王位に敗れ、無冠となった。
 今期は王位リーグ紅組からの参加。4勝1敗の成績で優勝した。「最近は内容が悪い将棋が多いので、改善しないといけないと思っている」と話す一方、「(リーグ優勝という)結果が出るとモチベーションになる」と振り返っていた。挑戦者決定戦では初顔合わせの池永天志五段を激戦の末破り、大舞台への切符をまた手にすることができた。
 最近作った扇子に「結果自然成」と揮毫した。努力を続ければ、結果は自然に出るという意味である。
 「時間をかけないと、なかなか将棋の内容は良くなりません。すぐにいい将棋を指せるようになれば一番いいのですが、ちょっとずつ、いろいろ変えていきたい」との考えを表現した。
 今年、師匠の桐山清澄九段が現役を引退。「師匠にお目にかかると、いつも健康を気遣った言葉をかけてくださいます。師匠も健康に気をつけていて、長く現役を続けられました。自分もがんばらないといけません」と刺激を受けているようだった。
 散歩や自宅でバスケットボール観戦をする時間もあるというが、生活の中心は将棋。ひたすら情熱を傾け、日々を過ごしている。
 兵庫県尼崎市在住。32歳。

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