行事の延期、保護者への説明、業者との調整…抑うつ状態に 教職員の精神疾患が増加
2022/06/06 17:05
兵庫県庁3号館=神戸市中央区下山手通5
 兵庫県内の公立学校(神戸市立学校、他市の一部市立高校を除く)教職員のうち、2021年度に精神疾患を新たに発症するか再発し、90日以上の長期療養をした人は延べ177人で、前年度から21人増えたことが県教育委員会のまとめで分かった。「新型コロナウイルス感染対策の負担増、不安・悩み」による発症は11人(前年度比4人減)。21年度も修学旅行の延期などが相次ぎ、保護者への説明や業者との調整などのストレスから抑うつ状態になった事例もあるという。
          
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 県教委によると、長期療養者全体の中でも、「業務量・業務全般への不安」を理由とする人が32・4%と前年度より7・6ポイント上昇。コロナ禍で全体の業務量が増えたり、複雑化したりしたことによる負担増が、遠因となった可能性も考えられるとする。
 一方、新型コロナの「感染不安」による発症は前年度の10人から1人へと大幅に減少しており、重症化率などの症状や対策について理解が広まったことが背景にあるとみられる。
 県教委は「相談窓口やストレスチェックを教職員に紹介し、早期の発見や治療、復帰につなげたい」としている。(古根川淳也)