「須磨多聞線」橋脚建設禁止の仮処分申し立て 住民ら「中央幹線の形状変更につながる」

2022/06/06 22:04

仮処分申し立てについて説明する弁護士と住民ら=神戸市中央区橘通1、県弁護士会館別館

 神戸市が須磨区の西須磨地区で整備を進める都市計画道路「須磨多聞線」について、地元住民らが6日、道路橋脚を建設しないよう求め、仮処分を神戸地裁に申し立てた。 関連ニュース 奥谷氏が立花氏を刑事告訴 兵庫県議会百条委委員長 SNSなどで虚偽内容を投稿、事務所前の街宣には被害届提出 マリンピア神戸、売上高1.5倍狙う 26日に再オープン 人工ラグーンで体験型イベント充実 巡査が無断欠勤で東京ディズニーランドへ 兵庫県警が処分 借金400万円「お金の指導が嫌になった」

 須磨多聞線は須磨区と垂水区を結ぶ全長約7キロで、うち約520メートルは西須磨地区で計画される。須磨天神町自治会と西須磨東部自治会による仮処分命令申立書などによると、橋脚の設置は同線と合流予定の市道「中央幹線」の形状変更につながると指摘。事前協議と住民同意なしに中央幹線の形状は変えない旨の確認書を2000年に住民と市で交わしており、建設をやめるよう求めている。
 市は昨年4月に周辺で橋台などの設置工事に着手。今年2月には工事予定などを記したチラシを住民らに配布した。西須磨東部自治会の村田しのぶ会長(66)は「話し合いもなく一方的に進めている」と憤った。
 市は「詳細を把握しておらず、コメントを差し控えたい」としている。
 須磨多聞線整備を巡る地元と市の対立は長年続き、2度にわたる公害紛争調停でも解決には至らなかった。また、整備事業への公金支出差し止めなどを求めた別の住民訴訟も現在、係争中。(篠原拓真)

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