「子育て0円」訴え届かず 加古川市長選で敗北の久本氏「自分なりのやり方で」
2022/06/12 21:30
落選の一報を受け、インタビューに答える久本和明氏=加古川市尾上町安田
兵庫県加古川市長選に立候補した無所属新人のアパレル通販会社社長、久本和明氏(38)は「子育て0円」を掲げ、大幅な負担軽減策を主張したが、浸透しなかった。加古川市尾上町安田の事務所で「暮らしやすい、子育てしやすい市のため、次のアクションにつなげていきたい」と述べ、落選にも前を向いた。
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21歳で明治大学を中退し、東京で起業。2011年、父が不動産会社を経営する加古川市に、本社機能を移転した。現在は同市や東京、芦屋市に事業所計5カ所を構え、従業員約150人を雇う。
会社経営の経験を行政に生かしたいと、今年3月に立候補を表明した。
「お金に頼らないやり方で、市民の幸福度を高めたい」と強調。市が休耕田を借りて農産物を栽培することで、18歳までの子ども全員に米、野菜、みそを支給し、学校給食を無料化することなどを公約に掲げた。
選挙カーを使った名前の連呼に疑問を呈し、選挙戦では主に交流サイト(SNS)を使って自らの考えを発信。終盤には加古川河川敷で市民との交流イベントも催し、支持を呼び掛けたが、知名度不足を解消できなかった。
事務所には支援者ら10人ほどが集まり、Tシャツにハーフパンツ姿の久本氏と食事をしながら選挙戦を振り返った。久本氏は「正直、選挙は分からないことだらけだったが、悩んでいてもしようがないので、自分なりのやり方で挑戦した。ネットでは多くの反応をもらい、政治も選挙も今までと違うつながり方を考えていくべきだと感じた」と話した。(斉藤正志、増井哲夫)
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