悩める連合、組合員に自民支持広がる 「官製春闘」による賃上げが背景
2022/06/13 17:50
神戸新聞NEXT
立憲民主党+国民民主党=34・9%、自民党=20・8%。連合が2019年に支持政党を尋ねた「政治アンケート」の結果だ。回答したのは全国の労働組合員約5万7千人。立民+国民は、民進党だった16年から4・1ポイント下がり、自民は3・5ポイント伸びた。
関連ニュース
参院選、安全保障や経済に関心 ウクライナ情勢が背景、日本への影響を懸念する声多く
維新、関西掌握へ虎視眈々 参院選で強気の戦略 兵庫選挙区は現職トップ当選が至上命令
ネット型政党は日本でも受け入れられるのか 参院選の台風の目といわれる「参政党」ってどんな政党?
背景の一つに、春闘の際に政権が経済界に賃上げを要請する「官製春闘」がある。当時の安倍政権が14年に始め、現在の岸田政権にも引き継がれた。政府の介入には経営側、組合側の双方から批判も出たが、実際に賃上げが続いた業界もある。
そもそも組合が政治に関与する背景には、労働環境を改善する目的がある。連合は1989年、官公庁の組合などでつくる「日本労働組合総評議会」(総評)と、民間企業の組合を中心とする「全日本労働総同盟」(同盟)などが統合され、誕生した。
当時から総評と同盟は政治路線が異なったが、98年に結党した民主党を支え、09年には政権交代を後押しした。12年に政権が自民に戻って以降は、政党の離合集散に翻弄され、支援の軸足が定まりにくくなった。
組合員数は連合発足時の約800万人から700万人に減少。連合兵庫は約30万人で、産業別労働組合(産別)では流通やサービス業などの「UAゼンセン」が約7万4千人、基幹労連が約4万7千人で上位を占めている。(田中陽一)