「みなさまの愛に背中を押されて」 宝塚歌劇「雪組」トップ娘役・朝月希和が退団会見
2022/06/14 16:00
「最後まで真っ白な気持ちで」と、白いレースのワンピースで会見に臨んだ朝月希和=宝塚大劇場
12月に退団すると発表した宝塚歌劇団雪組トップ娘役朝月希和さんが14日、宝塚市内で記者会見した。「13年も頑張ってこられたのは、みなさまの愛に背中を押されたから」と、感謝の気持ちを語った。
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朝月さんは東京都出身。2010年4月に初舞台。3度の組替えを経て21年4月、トップに就任した。その後、「CITY HUNTER(シティーハンター)-盗まれたXYZ-」「夢介千両みやげ」で、宝塚の娘役としては珍しい、気が強くて明るいヒロインをはつらつと演じた。
退団は「シティーハンター」の公演が終わってから考えたという。「目の前の課題に懸命に取り組んできたが、ゴールを決めた方が、全力で駆け抜けられると考えた」と説明。雪組トップ彩風咲奈さんに報告すると、「終わりを決めたからといって妥協することなく、芸事に精進しよう」と声をかけてもらったという。
娘役トップ就任の際、前雪組トップの望海風斗さんからアドバイスされた「いつも心に太陽を」という言葉が印象に残り、支えになった。「お客さまを暖かい光で照らせるような娘役を目指してきた」という。
「諦めず、歩みを止めなければ進む先に何かが待っている。遅くてもいいから歩き続ける」がモットー。「明るく前向きに。常にそう伝えようとしてきましたが、みなさん、いかがだったでしょう?」と、集まった記者に問いかける場面もあった。
印象に残る役として、「こんなにも強く1人の人を愛せるのは素晴らしい」と21年6月、雪組新トップコンビのプレお披露目となった「ヴェネチアの紋章」のリヴィアを挙げた。
芸名の朝月は朝になっても空に残る月。「翌日になってもお客さまの心に残る舞台人」を目指して付けた。「娘役をこんなに好きになるとは思っていなかった。最後の日まで大好きという気持ちと感謝の気持ちを忘れずに精進したい」と述べた。
退団後については「まだ何も考えていません。残された宝塚での時間を大切に過ごしたい」と語った。
今後は7月に大阪・梅田芸術劇場で開幕する「ODYSSEY(オデッセイ)」に出演。12月25日、東京宝塚劇場で千秋楽を迎える「蒼穹の昴」で退団する。(片岡達美)