岸田首相、泉市長との対話に消極姿勢 「子育て政策で意見交換を」、国会で問われ「チャンスあれば」

2022/06/14 20:00

国会議事堂(資料写真)=東京都千代田区永田町1

 14日に開かれた参院内閣委員会で、子育て支援策を巡り、岸田文雄首相が泉房穂・兵庫県明石市長との面会を求められる一幕があった。立憲民主党の塩村文夏参院議員が「子ども政策で圧倒的な存在感を放っているのが明石市。泉市長と直接会って意見交換しては」と重ねて問い掛けたが、岸田首相は消極的な姿勢に終始した。 関連ニュース こども家庭庁「権限ないなら、つくる意味ない」 泉・明石市長、義務教育政策の移管を主張 子育て施策PR合戦 神戸市と明石市 「競争本意でない」でも互いに意識 「まずはおわびを」「私の方も言葉が過ぎたりする関係で」 明石公園樹木伐採問題で斎藤知事と泉市長

 塩村氏は質疑で明石市の人口増加や税収アップ、出生率上昇などの実績を挙げ、評価を尋ねた。岸田首相は「子ども食堂の開設」や「五つの無償化」を挙げ、「積極的に大胆に取り組まれており、評価している」と答えた。
 ただ、対面での意見交換を提案されると、岸田首相は「先駆的、意欲的な取り組みをしている首長は全国に大勢いる。まずはこども家庭庁で情報収集して、チャンスがあれば」と慎重な答弁を繰り返した。
 塩村氏は委員会後「少子化は国難なのに、首相に官僚答弁から一歩踏み出す勇気や危機感が見られなかったのは残念。国会でも明石市の施策への関心は高まっており、直接会えば熱量が伝わるはず」と話した。(永見将人)

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