「引き継いでくれる事業者があれば…」エフエムあまがさき閉局へ 地域に根差すアナログの魅力
2022/06/17 21:20
閉局するエフエムあまがさき=尼崎市昭和通2、尼崎市総合文化センター
阪神・淡路大震災の教訓から、震災の9カ月後にコミュニティーFM局としては全国で2番目に誕生した尼崎市の「エフエムあまがさき」。震災から20年や25年の節目に西宮など近隣4局で特別番組を放送したほか、2005年4月の尼崎JR脱線事故ではパーソナリティーを現地に派遣。18年の台風21号による大規模停電の際も予備電源で特別放送を続けた。
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また、市内各地でロケやイベントを行うなど、地域に根差した多彩な番組を制作。運営する市文化振興財団や市は「閉局後は、スマートフォンを活用した情報伝達や動画配信などデジタル事業を強化する」とするが、パーソナリティーらは「アナログならではの人のつながりを意識して番組を作ってきた。デジタルに不慣れな高齢者や視覚障害者ら情報弱者はどうなるのか」と不安を漏らす。
近畿総合通信局によると、申請すれば審査を経て再開はできるが、同じ周波数を割り当てられるかは不透明なため、「いったん廃止すると再開は難しいのが実情」(放送課)という。
一方で、全国にはNPO法人や民間会社が経営を担う例もある。同財団は「FMそのものの有効性を否定はしていない。閉局前に運営を引き継いでくれる事業者や団体があれば、相談には応じたい」としている。
(広畑千春)