MARUDORI#みんなで考える参院選(2)少子化の波 消えゆく学びや
2022/06/28 10:00
閉校した旧有野台小学校。机や椅子が残されていた=神戸市北区有野台2
学びやの気配がかすかに残っていた。教室だった部屋には今も机が残る。黒板に子どもらが書き残した文字が寂しく映る。
関連ニュース
【写真】教室の黒板に、小さな文字で「ばいばい」と書かれていた
【写真】窓には、最後の児童たちが残した「ありがとう」の文字
【写真】無人の廊下。給食時注意書きの紙が残されていた
児童が減るなどして閉校した神戸市北区の旧有野台小学校の校舎。周辺の有野台地区は同市が宅地開発し1970年にまちびらきした。小学校は翌年に開校。当時、日本は年間出生数が200万人超の第2次ベビーブームを迎えていた。有野台小ではピーク時の80年前後に児童数約1400となる。
だがその後、社会は次第に少子高齢化が進む。児童数が減り全国各地で消えていく小学校が少なくない中、有野台小も近隣の有野東小と統合。校舎は今春、その役割を終えた。
昨年、出生数は過去最少の約81万人を記録。社会保障の担い手不足が叫ばれるなど国の未来に影を落とす。
薄日に浮かぶ机。消えた子どもたち。時が止まったような一室に、押し寄せる少子化の大きな波を見る。
(鈴木雅之)
【特集ページ】参院選2022