〈参院選ポイント解説〉投票って「タイパ」に見合う?

2022/06/28 18:05

投票用紙に記入する有権者ら=神戸市内

 何かにつけ、「タイムパフォーマンス」という言葉を耳にすることが増えました。かけた費用がどれだけの効果を生み出したかを表す「コストパフォーマンス」の変化形で、かけた時間とそれに見合う効果のほどを意味するようです。「タイパ」「タムパ」などと略されるとか。 関連ニュース 立民、臨時国会早期召集を要求 参院選後政治空白「極めて遺憾」 参院選「1票の格差」10月判決 大阪高裁、近畿6府県の原告 <だから「不信」の一票を>(1)参院選と知事選、重なる光景 新興政党躍進につながる「斎藤票」

 さて、有権者が選挙で投票するのにお金はかかりませんが、時間はかかります。近所に投票所があるという人でも、家を出てから帰ってくるまで30分くらいはかかると思います。
 選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられてから今年で6年になりました。選挙のたび、指摘されるのが10代、20代の投票率の低さ。18、19歳の参院選での投票率は2016年の46・78%から19年は32・28%と、むしろ低下傾向にあります。
 一言でいえば「政治に関心がない」ということなのでしょうが、言い換えれば「大切な時間を費やしてまで行くのはちょっと…」ということでしょう。で、それに見合うことあるの? タイパが悪いよ-と。時間短縮の解決策として自宅のパソコンやスマートフォンから瞬時に投票できるネット投票を望む声もありますが、まだ議論の途上です。
 インターネット上の動画や録画したテレビドラマを倍速で見る傾向が、若い世代ほど強いと言われます。そんなに忙しいのか? そうつっこみたくもなりますが、これも「タイパ」の意識ゆえかもしれません。
 とはいえ、です。選挙は「現在」だけでなく、「未来」について考える時間でもあります。タイパはそれほど悪くないのでは…ということを記事でどう伝えればよいのか。考えてはいるのですが、妙案が浮かばぬまま、時間はたつばかり。タイパが…。(報道部デスク・岸本達也)

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