〈参議院選挙当選者に聞く〉公明・伊藤孝江氏 「安保や憲法改正で議論深める」
2022/07/14 20:00
伊藤孝江氏
自民、公明両党が改選過半数を大幅に上回って大勝した今回の参院選。兵庫選挙区では、2019年の前回参院選に続き、憲法改正に前向きな「改憲勢力」である維新、自民、公明の現職3人がそれぞれ議席を維持した。当選者に選挙結果の受け止めや今後の抱負などについて聞いた。
関連ニュース
7月の参院選比例代表得票 各党市議らはどう見たか 自民会派会長「自滅」と分析
立民、執行部批判続出 参院選不振で刷新要求も
立民、参院選総括へ議員懇談会 議席数、伸び悩みに不満も
■
-初当選時から順位を下げて3番手で当選となった。
「厳しい選挙戦を想定し、三つ目の議席に滑り込むことが目標だった。党員、支持者は昨年の衆院選の比例で見るとおよそ29万人。支持を大きく拡大する必要があった。結果として約45万票を投じていただき、大変ありがたい」
-自民と公明は推薦を巡り不協和音が生じた時期も。
「私としては(前回参院選で自民候補が公明候補を得票で下回った)兵庫が原因でもめたとは思っていない。どんな声があるにせよ、兵庫では与党で2議席を獲得できた。全体的には自公が選挙で連携し、共に政権運営を進める意志を表せたのでは。自民の推薦は選挙戦で、訴えを届ける上で大きな効果があった」
-選挙戦で安全保障や憲法改正を直接は語らなかった。
「街頭や個人演説会では時間に限りがあり、応援弁士と役割を分担した。ただ、有権者から『もっと分かるようにしてほしい』という声はあった。公明党は憲法改正を一切拒否してはおらず、国防では全てを外交努力で解決する姿勢ではない。しかし、誤解されている側面があるのは確か。正確に認識してもらうためには、議論を深めていくことが大事だと考えている」
-2期目で何を取り組む。
「街頭演説で訴えたヤングケアラー(家族の介護をする子ども)は多くの方に関心を寄せてもらえた。本年度予算で、学校や福祉の現場でのケアラーに関する研修が可能になった。目下の課題は自治体ごとに異なる認識の格差をなくすこと。兵庫県や神戸市は先駆的に取り組むが、県内の市町でも関心に濃淡がある」
-自公の安定した政治を訴えた。負託にどう応えるか。
「国民にとって今、切実なのは物価高騰。選挙戦では、消費税減税を巡り与野党が対立した。与党は減税しないと明言して支持をいただいたことを重く受け止め、結果が伴う対策をしっかりと講じる」
(聞き手・金 旻革)
【特集ページ】参院選2022