コロナ急増 小児科も逼迫、制限ない夏休み「知恵に基づき行動を」 関西福祉大・勝田教授
2022/07/20 20:02
緊急事態宣言解除について語る勝田教授=神戸市内
新型コロナウイルスの流行「第7波」が本格化し、全国の感染者数が20日も過去最多を更新する見通しとなった。急増の背景と今後の想定、必要な対策は-。感染症に詳しい関西福祉大(赤穂市)の勝田吉彰教授に聞いた。
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全国的な現状の傾向について「世界的に増えている流れに乗っており、日本で特別なことが起こっているわけではない」とする。急増の理由として、オミクロン株の派生型「BA・5」が感染力が強く、再感染のリスクも高くなっていることを挙げる。
また、10日に投開票された参院選も一因という。「世界的に国政選挙の後は感染が増えている。大きな声で主張する人がおり、密集する機会が増えた」とする。一方、重症者の割合については、第6波から大きく増えることはないとみられる。
特に気を付けたい年代として、子どもと高齢者を挙げる。子どもの間では新型コロナ以外でも感染症が目立ち、小児科の医療が逼迫(ひっぱく)しているという。熱中症対策として屋外でマスクを外すよう推奨されるが、「熱中症に結びつく活動をやめるべきで、マスクを着けずに何をしてもいいわけではない」とくぎを刺す。
これまでの波と同様に、高齢者施設のクラスター(感染者集団)にも警戒を呼び掛ける。「少しでも調子が悪くなったら、施設や帰省先で、高齢者と会わないようにしてほしい」という。
行動制限がない中で、夏休みやお盆を迎える。「人々の行動次第で、今後は読みにくいが、接触機会が増えれば感染者はさらに増える。3密や換気の悪い場所は避けるなど、これまで身につけた知恵に基づいて行動し、基本の対策を続けるしかない」と訴えた。
(井川朋宏)
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