特殊詐欺の被害者7割「多発は知っていた」 22年上半期の被害額5・2億円 兵庫県警
2022/08/16 20:10
神戸新聞NEXT
2021年に兵庫県内で起きた特殊詐欺事件の被害者のうち、被害が多発していると知っていた人は72%に上ることが、兵庫県警のアンケートで分かった。22年上半期(1~6月)の被害額は5億2千万円で、前年同期から5千万円減少したものの、依然として高止まりが続く。
関連ニュース
「3億4500万円の入金完了」とメール 不審に感じた金融機関職員、交番へ 兵庫・三木
「宝くじ高額当選するにはポイント購入を」占いサイトで女性が7190万円詐欺被害
紙袋に2700万円?現金運搬役か 特殊詐欺容疑者の画像を公開 兵庫県警
アンケートは、21年に確認された被害者859人のうち、791人から回答を得た。7割が特殊詐欺事件の多発を知った上で被害に遭っていたほか、50%が「被害に遭わないと油断していた」、31%が「何も考えていなかった」と回答。多くの人が詐欺の被害が多いと知りながら、十分に対策を取れていない現状が浮き彫りになった。
かつては自宅を訪れて現金やキャッシュカードをだまし取る「対面型」が中心だったが、近年はATMでの振り込みや電子マネーの購入を求める「非接触型」が増加。パソコン画面にウイルス感染の警告を表示し、偽のサポート窓口に電話させて料金を要求する「サポート詐欺」が登場するなど手口は巧妙化している。
県警生活安全企画課は「警察官による訪問などで手口や対策について注意を促していくしかない」とする。県警は手口に応じ、偽の感染警告の画像をプリントしてコンビニに配ったり、ATMで携帯電話の使用をやめるよう呼びかけたりしている。(井沢泰斗)