27日初の代表選、「維新の顔」交代に漏れる不安と危機感 兵庫の地方議員ら
2022/08/22 06:00
神戸で日本維新の会代表選の街頭演説会を行った候補者たち。左から馬場伸幸氏、足立康史氏、梅村みずほ氏=21日午後、神戸市中央区(撮影・鈴木雅之)
結党以来初となる日本維新の会代表選(27日開票)を前に、兵庫県内の地方議員らから不安の声が漏れている。橋下徹氏とともに維新を創設した松井一郎代表(大阪市長)の存在は、今や大阪に次ぐ地盤となった兵庫での推進力だったからだ。野党第1党を目指す上で足掛かりとなる来春の統一地方選を控え、これまで依存してきた「選挙の顔」の交代で党勢失速を招くとの懸念もくすぶる。(三島大一郎)
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「日本の政治を変える」「野党第1党になり、政権交代を目指す」。21日夕、神戸・元町であった街頭演説会。足立康史国会議員団政調会長(56)と馬場伸幸共同代表(57)、梅村みずほ参院議員(43)の3氏が並び立ち、それぞれ党の方向性を訴えた。
代表選は、維新の議員ら586人と一般党員1万9293人が1票ずつ投じて決める。県内には議員と党員合わせて1377人おり、全体の半数近くを占める大阪に次いで多い。
このため兵庫は「第2の牙城」とされ、7月の参院選を経て国会議員は13人に増え、地方議員も47人が所属する。ただ、各議員の支持基盤は大阪ほど盤石ではなく、「維新の看板や風で当選した議員が多い」(県組織幹部)のが実情だ。
党内外に影響力を持つ松井氏の退任は、党の存在感の低下にもつながりかねない。来春に改選を迎える県内の男性市議は「どの候補者も政策にインパクトや旗印がない」と発信力を懸念。同じく統一選で選挙がある神戸市議の女性は「党の看板がなくても勝ち抜ける支持を固めなければ」と危機感を強める。
別の神戸市議は、知名度のある吉村洋文副代表(大阪府知事)の存在を挙げ、「吉村さんがいれば大丈夫。新代表は党をまとめる力のある人になってもらいたい」と党運営に期待を寄せる。
一方で、一般党員は看板政策の行方に注目する。尼崎市の無職男性(74)は「身を切る改革など従来路線を継承してほしい」。三田市の主婦(52)は「子育て施策など庶民目線で取り組んで」と注文した。