低迷の「フェニックス共済」あの手この手でPR 特製ポスターに阪神坂本捕手「そなえこそ、いちばんの守り」

2022/09/01 17:50

フェニックス共済の加入強化月間に合わせて作られたポスター=兵庫県庁

 阪神・淡路大震災を教訓に創設された「兵庫県住宅再建共済制度」(フェニックス共済)の加入促進に向け、県は防災月間の9月を「加入強化月間」と位置付け、あの手この手でPR活動を展開する。プロ野球・阪神タイガースの坂本誠志郎捕手=養父市出身=を特製ポスターに起用し、応援企業を募る取り組みも新たに開始。動画投稿サイト「ユーチューブ」の広告でも周知を目指す。 関連ニュース 「お母さんと先に避難しとけ」父の最後の言葉 風速35メートルは新快速レベル 超大型台風に備えてすべきこと かつて不要論もあった貨物列車が熱い! 増える輸送量、背景に環境配慮やドライバー不足

 同共済は「共助」の仕組みとして2005年に運用が始まった。掛け金は年5千円で、自然災害で自宅が全半壊した場合、再建や購入には600万円、補修には最大200万円が支給される。年千円を追加すれば、家財に対しても最大50万円の給付を受けられる。
 今年7月末時点の加入率は9・6%(約16万9千戸)で目標の15%には届かず、近年は横ばいが続いている。例年9月には市町の協力も得て広報紙やケーブルテレビで周知を進めてきたが、今年は6月に阪神・淡路の発生から1万日の節目を迎え、10月には人と防災未来センター(神戸市中央区)などで「防災推進国民大会」(ぼうさいこくたい)も開かれることから、さらに力を入れる。
 特製ポスターは、防具を着けた坂本捕手の写真を中央に配置し、「そなえこそ、いちばんの守り!」と呼びかける。1万枚の作製を予定し、県や各市町の庁舎や消防関連施設などに掲示する。阪神電鉄の車両にも中づり広告を出す。
 同共済は、「住み続けられるまちづくり」や「気候変動への具体的な対策」など、持続可能な開発目標(SDGs)の実現にもつながるため、関心のある応援企業を募ろうと登録制度も創設。社員に同共済を紹介したり、加入時の補助制度を設けたりしてもらうことを想定している。県のホームページ(HP)を通じて募り、希望に応じて同HPで企業名を紹介する。
 ユーチューブでの広告も初の試みで、一戸建て住宅を所有するとみられる県民らを対象に流す。「小さな負担で大きな安心を」とPRする内容で、20秒程度の動画となっている。
 9月4日には、JR神戸駅前の地下街「デュオこうべ」でキャンペーンも実施。午後1~4時、県のマスコット「はばタン」と、「フラワープリンセスひょうご」2人が啓発グッズなどを配る。
 県防災支援課TEL078・362・4336
(田中陽一)

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