まるでモーゼの海割り?! 稲美・天満大池、バイパス工事で“真っ二つ”
2022/09/13 11:58
天満大池に橋を架けるため、造成された作業場所。池を割って北へ延びる=兵庫県稲美町(ドローンで撮影)
深緑色のため池を真っ二つに裂くように、白い道が延びる。旧約聖書の「出エジプト記」でヘブライ人を導いたモーゼの海割りを想起させる不思議な光景だ。
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天満大池バイパス着工 池に橋架け4車線で歩道整備
兵庫県稲美町の天満大池。1300年以上前に造られた県内最古のため池とされる。白い道は、2020年度に始まった天満大池バイパス(BP)工事のための作業場所で「ヤード」と呼ばれる。
農閑期に水を抜いて池底を掘削し、その土砂を使った大型土のうを積み上げて堤を築く。そうしてできた幅約37メートルのヤードは長さ約354メートル。最終的には約439メートルまで延びて水面を分断するが、ヤードの下を通る管で水の循環は保たれるという。
交通量の多い近くの県道宗佐土山線が、狭く危険なことから計画された同BP。28年度までに完成する新たな道は東播磨地域のモーゼとなるか。(吉田敦史、長嶺麻子)