在日ミャンマー人が「国葬」に抗議の声 市民弾圧の国軍政府を招待「悲しい」 神戸

2022/09/26 20:10

ミャンマー国軍政府を招待した日本政府に抗議する在日ミャンマー人ら=神戸市中央区三宮町1

 兵庫県内に住むミャンマー人ら約20人が26日、神戸・三宮で、安倍晋三元首相の国葬に軍事クーデターで全権を握ったミャンマー国軍の政府が招待されていることに対し、抗議の声を上げた。安倍氏への追悼の言葉を述べる一方、「日本政府は国軍の政府を招待しないで」と訴えた。 関連ニュース 国葬「断固反対」と焼身自殺図る 官邸近く、70代男性搬送 学校は「半ドン」、デパートで黙とう、お役所では節酒令…新聞紙面で振り返る55年前の「吉田国葬」 野田元首相、参列は「人生観」 安倍元首相の国葬巡り

 ミャンマーでは昨年2月、国軍が軍事クーデターを起こし、アウンサンスーチー氏らを拘束。反対する市民らの軍事弾圧で多くの死傷者が出続け、日本人も拘束された。県内でも在日ミャンマー人らが民主主義を求めて声を上げてきた。
 そうした中で起きた安倍氏の銃撃事件。岸田文雄首相は「わが国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く決意を示す」と国葬実施の意義を語った。にもかかわらず、日本政府は市民弾圧を続けるミャンマー国軍政府も招待。外務省は駐日大使らが参列する国の一つとしてミャンマーを挙げている。
 在日ミャンマー人らは「ミャンマー軍は正式な政府ではない」などと書かれた横断幕を手に街頭へ。うち神戸市内の女性会社員(40)は「日本でずっと訴えてきたのに、国軍政府を招待すると聞いて悲しかった。日本政府は、その参列が国軍を認めることにはつながらないと断言してほしい」と呼びかけた。
 英ロンドンで19日に営まれたエリザベス女王の国葬では、ミャンマー政府は招待されなかった。(高田康夫)

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