通園バス、ヒヤリハット事案の報告も要請へ 園児死亡受け兵庫県「感知システムの活用促進など対策進める」
2022/09/28 16:30
兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5
静岡県牧之原市の認定こども園で通園バスに置き去りにされた3歳女児が死亡した事件を受け、兵庫県は28日、県内の保育施設や認定こども園に対し、事故につながりそうな「ヒヤリハット」事案についても報告を求める方向で検討していることを明らかにした。
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同日の県議会定例会で、自民党議員団の富山恵二議員(相生市)の質問に、生安衛福祉部長が答えた。
静岡の事件は5日に起きた。園側がバスからの降車確認を怠るなど、基本的なルールの不徹底が原因とされ、死亡した女児は車内に約5時間取り残された。
昨年7月にも福岡県中間市で同様の事件があり、兵庫県は対策を強化。保育施設や認定こども園が毎年提出する自己点検の項目に、「送迎バス乗降時の安全確認」に関する内容を追加するなどした。静岡の事件後には国の通知に基づき、県内各市町を通じて全約2300施設の緊急点検を進めており、乗降時のチェック方法などを細かく確認している。
生安部長は「点検結果を踏まえ、(バス車内に取り残された)人を感知するシステムの活用促進など、より実効性のある対策を進める」と説明。従来は報告の対象外だったヒヤリハット事案についても今後情報を集め、「分析、検証して安全対策に生かしたい」とした。(田中陽一)