秋の湾内に“歴史絵巻”が復活 赤穂「坂越の船祭」3年ぶり開催 舞う男衆、厳かに船渡御
2022/10/09 19:10
みこしを船に乗せるためのバタ板の上に乗り、3年ぶりの盛り上がりを喜ぶ男衆=9日午後、赤穂市坂越(撮影・大山伸一郎)
兵庫県赤穂市の坂越湾周辺で9日、国の重要無形民俗文化財「坂越の船祭」が営まれた。新型コロナウイルス禍で3年ぶり。浜辺では男衆が板の上で舞う「バタカケ」を披露した。あいにくの雨で、綱につながれた和船12隻の一団が湾内を巡る船渡御は4隻に縮小されたが、海と陸での華麗な歴史絵巻が復活した。
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聖徳太子の側近で能楽・雅楽の祖と伝わる秦河勝を祭る大避神社の祭礼。河勝の墓所や御旅所がある湾内の生島にみこしを渡す。赤穂が誇る二つの日本遺産、北前船寄港地と塩作りの歴史文化でこの船祭はともに構成文化財となっている。
男衆は長さ約7メートルの「バタ板」の上で舞い踊った。みこしを積んだ和船団が生島へ向かうと雅楽の音色や男衆の掛け声が秋の深まる雨空に響いた。
祭りは感染防止対策として獅子舞を取りやめ。船渡御の陣容を縮小したほか、時間も短縮した。(坂本 勝)