300万円分の新品医療機器を誤廃棄 姫路医療センター、不用品廃棄日に急きょコロナ対応で混乱
2022/10/17 19:20
姫路医療センター=姫路市本町
姫路医療センター(兵庫県姫路市本町)で昨年3月、合計300万円を超える新品の医療機器が誤って廃棄されていたことが17日、明らかになった。回収業者が不要品を運び出していた際の出来事で職員も立ち会っていたが、急きょ新型コロナウイルスの患者の受け入れが決定。作業を急いだ結果、ごみと一緒に捨ててしまった。
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センターを運営する独立行政法人国立病院機構によると、誤廃棄したのは患者の心電図や血圧などを測定する医療機器「ベッドサイドモニタ」3台(購入価格計約323万円)。昨年3月19日に納品され、消耗品用の倉庫で保管していた。 同30日はセンター内の不要品を廃棄する日だったが、量が多くて廃棄物の保管室に入りきらず、一部をモニタがある消耗品倉庫に移した。同機構は「慌ただしく作業する中で不要品と一緒に新品のモニタまで捨ててしまった」と説明する。
この日突然、コロナの急患の受け入れが決まったが、急患を搬送する動線上に廃品を積み込むトラックが位置していたため、回収を急いで終わらせる必要に迫られたという。
翌4月中旬、モニタがないことが院内で発覚。防犯カメラの様子を確認したところ、不要品とともに運び出される様子が映っていた。職員が廃棄物処理場に足を運んだが、現物は確認できなかったという。
廃品回収作業の際、捨てる物と捨てない物を張り紙などで区別もしていなかった。同機構は病院全体の管理体制が不十分だったと判断。17日に関係者6人の処分を発表した。
当時、院長や事務部長だった60代男性2人=いずれも退職済み=を減給相当とし、物品管理を担当した50代男性課長を減給の懲戒処分、元班長の40代男性=別の医療機関に転籍=を戒告相当とした。立ち会っていた20代の女性係員らは厳重注意などとした。(金 旻革)