最高裁「経緯の調査と報告を検討したい」 少年事件の記録廃棄問題で国会答弁

2022/11/09 17:30

国会議事堂(資料写真)=東京都千代田区永田町1

 神戸連続児童殺傷事件をはじめ、重大な少年事件の記録を各地の家裁が廃棄していた問題で、最高裁の氏本厚司経理局長は9日の衆院法務委員会で、記録を廃棄した経緯の調査や被害者遺族らへの報告をするかどうかを問われ、「今後検討したい」と述べた。 関連ニュース 「少年A」サカキバラの手は冷たかった 元主任検事「笑わない。不気味」 神戸連続児童殺傷事件 好きだった祖母「なんで死んだ」 神戸連続児童殺傷事件 少年A事件の全記録 2011年2月末に廃棄か 神戸家裁、旧システム調査で判明

 連続児童殺傷事件の全事件記録を廃棄した神戸家裁は、経緯や理由を明らかにしていない。遺族は調査を要望し、日本弁護士連合会も最高裁に経緯を調査し公表するよう求めている。
 法務委の審議で最高裁の氏本経理局長は、廃棄した責任の所在について「裁判所全体の問題」と答えた。また、裁判所法は「最高裁は下級裁判所およびその職員を監督する」と定めていると指摘されると「最高裁としても事態を大変重く受け止めている」と述べた。
 氏本経理局長は、廃棄された記録の復元に取り組む意向の有無も確認されると「記録がどの程度残っているのか。残っているのが一部なら特別保存(永久保存)にするべき資料の価値があるか、難しい問題」として消極的な姿勢を示した。
 吉田晴美議員(立憲民主党)の質問に答えた。(永見将人)

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