県立がんセンターの新病院、開院1年延期し26年度に 内視鏡センターなど機能充実、最先端医療を提供へ

2022/11/18 16:00

基本設計で公表された兵庫県立がんセンターの建て替え後の完成予想図(兵庫県提供)

 世界的な鋼材不足の影響で、兵庫県立がんセンター(明石市)建て替えの工期が延びる見通しとなり、県は2025年度としていた新病院の開院時期を26年度に延期した。18日に県が公表した事業に関する基本的な設計計画(基本設計)に盛り込んだ。 関連ニュース がん狙い撃ち「光免疫療法」が拡大 副作用少なく、体の負担軽減 1000人を看取った緩和ケア医、45歳の死 がんに侵されながら「自分らしさ」貫いた最期 手術支援ロボ「ヒノトリ」大腸がん手術も成功 胃がんに続き初、消化器外科の展開加速か 札幌医大さらに4件予定

 新病院は同センター敷地内に新築する。「内視鏡センター」や「消化器センター」などを設けて診療機能の充実を図り、最先端医療の提供を目指している。
 県によると、鋼材不足のため、鉄骨造を予定していた病院棟は鉄筋コンクリート造に変更する。計画当初は病床数を現行の400床を維持する方針だったが、入院患者数の減少を受けて、360床(一般病床333床、緩和ケア病床15床、集中治療病棟12床)に縮小し、当初案の8階建てを7階建てに改める。
 今後、設計計画の詳細を決め、23年度中に工事入札を実施。総事業費は概算で268億円だが、県病院局は「建材の価格上昇で経費が増すことになる」とする。
 がんセンターの建て替え事業は24年度開院を目指して動き出したが、明石城跡に近い立地から埋蔵文化財の試掘調査を行う必要があり、基本計画の策定が予定より1年遅れた経緯があった。(金 旻革)

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