神戸マラソン過去9大会の歩み 変わらぬ「感謝と友情」のテーマ、全国の被災地とつながる機会にも

2022/11/19 13:40

第4回大会のスタート前セレモニーで黄色い手袋を着け、両手を挙げるランナーたち=2014年11月23日、神戸市中央区磯辺通4

 20日に10回目を迎える神戸マラソン。毎回約2万人のランナーが駆け抜ける大会で、これまでコースや方式の変遷はあったが、テーマの「感謝と友情」は一貫している。阪神・淡路大震災で国内外から寄せられた復興支援への思いが込められ、震災の被災地との縁を結ぶ機会にもなっている。 関連ニュース 能登地震、見送るしかない命もあった 診察中に被災の外科医がマラソン完走 神戸との「友情」胸に 【こだま】 沿道で手をたたいた

 第1回は、フルマラソン(42・195キロ)に2万642人、クオーター(10・6キロ)に2316人が参加した。11年3月の東日本大震災の発生から8カ月後で、東北の被災者らを招待。16年4月の熊本地震を受け、同年の第6回では熊本県からの応募者全員を当選とした。今回も二つの地震で被災地枠を設け、計約500人が参加する。
 神戸市役所前でのスタート時は、阪神・淡路からの復興がテーマの「しあわせ運べるように」の合唱(今回は収録曲を使用)があり、ランナーは復興の象徴であるひまわりにちなみ、黄色い手袋を着けて空に掲げるのが恒例となっている。
 第6回からはクオーターを廃止してフルマラソンに一本化。混雑緩和のため、スタートに時間差を設ける「ウエーブスタート」も始めた。17年の第7回からはコースを変更し、折り返しを明石海峡大橋より西へ移し、ゴールがあるポートアイランド内の走行距離を縮めた。
 制限時間は7時間と比較的長く、完走率は毎回95%以上。最高は第4回の97・8%だった。大会期間中、ボランティアは毎回7千人前後が活動。沿道の応援は60万人程度に上るという。今回は新型コロナウイルス禍で初めて迎える大会で、実行委員会は沿道での応援を控えるよう呼びかけている。(井川朋宏)

■神戸マラソン過去9大会の優勝者=所属は当時
【男子】(名前、所属、タイム、2位との差─の順)
第1回 中山卓也(早大)2・24・13(5分47秒差)
第2回 高橋謙介(TOYOTA)2・21・13(4分6秒差)
第3回 新井広憲(中国電力)2・17・1(14秒差)
第4回 ハロン・マレル(ケニア)2・13・45(6分14秒差)
第5回 鈴木忠(スズキ浜松AC)2・18・1(1分30秒差)
第6回 モリス・ムワンギ(ケニア)2・22・31(1分59秒差)
第7回 クァリル・ルムシェ(モロッコ)2・12・49(1分35秒差)
第8回 クァリル・ルムシェ(モロッコ)2・13・54(44秒差)
第9回 ジョフレイ・クスロ(ウガンダ)2・8・46(3分37秒差)
【女子】(名前、所属、タイム、2位との差─の順)
第1回 上谷聡子(神院大AC)2・40・45(39秒差)
第2回 大内唯衣(ノーリツ)2・39・52(2分29秒差)
第3回 田中千洋(アスレックAC)2・36・53(2分58秒差)
第4回 斎藤公美(京セラ)2・38・24(2秒差)
第5回 杉谷優衣(神院大)2・42・1(34秒差)
第6回 ジャクリーン・キプリモ(ケニア)2・40・7(2分48秒差)
第7回 メーガンP・クリフチン(米国)2・33・14(2分20秒差)
第8回 スーザン・ジェロティク(ケニア)2・31・38(10秒差)
第9回 山口遥(AC・KITA)2・27・39(3分51秒差)
【特集ページ】神戸マラソン

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