93歳入院患者の腸管内減圧せず→3日後に誤嚥性肺炎で死亡 西宮市立中央病院、遺族に1500万円支払い和解へ

2022/11/23 17:57

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 兵庫県西宮市の西宮市立中央病院は22日までに、入院中に誤嚥性肺炎で亡くなった男性=当時(93)=の遺族に対し、解決金1500万円を支払うことで和解する方針を明らかにした。30日開会する市議会定例会に議案を提出する。 関連ニュース 最期の言葉は「息できない」 無痛分娩医療事故 市民病院の男性医師、医療事故8件 障害残った患者の家族「そもそも技量なかったのでは」 出産時の医療事故で重い「脳性まひ」なぜ補償から外れる 制度改定でも「取り残された人知ってほしい」

 病院によると、男性は2016年7月に腸閉塞で入院。医師は軽度と判断し、高齢だったため体内に管を挿入する減圧治療はせず、投薬で対応した。男性は2日後に嘔吐して酸素飽和度が低下し、翌日に誤嚥性肺炎で死亡した。
 遺族は18年夏、腸管内の減圧をしていれば死亡は防げたとして、約3千万円の損害賠償を求めて神戸地裁尼崎支部に提訴していた。
 病院は「当院に過失はないという主張は変わらないが、結果的に患者が入院後3日で亡くなったという事実は重く、早期解決を図る観点から裁判所の和解案を受け入れる」とした。(山岸洋介)

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