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ホールドを壁に取り付けてクライミングのコースを作る一宮大介さん=いずれも神戸市中央区雲井通7、「グラビティリサーチ ミント神戸」
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ホールドを壁に取り付けてクライミングのコースを作る一宮大介さん=いずれも神戸市中央区雲井通7、「グラビティリサーチ ミント神戸」
10月上旬にあった「兵庫県高校スポーツクライミング大会」で壁に挑む選手
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10月上旬にあった「兵庫県高校スポーツクライミング大会」で壁に挑む選手

 2020年の東京五輪から正式種目となる「スポーツクライミング」。壁に取り付けられたホールド(突起物)に手や足をかけ、登る速さや到達した高さなどを争う競技で、試合によって異なる課題(コース)の攻略が鍵を握る。その課題を設定するのが「ルートセッター」と呼ばれる専門家。壁の特徴や大会のレベルに応じてホールドを配置し、課題を通じたルートセッターと選手の“闘い”も妙味の一つだ。兵庫県内で活躍するルートセッターに役割を聞いた。(金山成美)

 JR三ノ宮駅前の複合商業施設「ミント神戸」(神戸市中央区)の屋上に昨秋オープンしたクライミングジム「グラビティリサーチ ミント神戸」。ここで10月13日に開かれた大会「マウンテンハードウェアカップ2018」は、「一宮(いちみや)大介プロデュース」と銘打たれた。コース設定を手掛けた一宮大介さん(24)=兵庫県宝塚市=は、世界各地で難易度の高い自然岩に挑むプロのロッククライマーだ。

 「(コースは)攻略する面白さといった内容とともに、見た目の印象も大事」。壁の形状からイメージを膨らませ、出場者のレベルに合わせ、自らホールドを取り付けていく。

 ホールドの素材はポリエステルやポリウレタンなどの合成樹脂で、色や形は多種多様。同じ形でも角度が少し変わるだけで難易度が違ってくるという。最難関の部分が簡単にクリアされると、試合が面白みを欠いてしまう。ルートセッターの腕の見せどころだ。

 「こだわりすぎて作業が進まないこともあるが、選手や観客から『面白かった』と言ってもらえると、すごくうれしい」と一宮さん。会場の盛り上がりを想像しながら壁と向き合う。

     ◇

 同じ会場で10月7日にあった兵庫県高校大会には、「日本山岳・スポーツクライミング協会」が認定するC級ルートセッターの石田智則さん(32)=尼崎市=が携わった。

 「制限時間内にどの地点まで登れるかを競う種目『リード』は、全出場選手のうち1人だけが登りきれる、という設定が理想。コースの途中段階で、各選手に差が出るよう作り込んだ」と解説する。

 さらに「大きな動きがあれば観客も沸く」と見る側の視点も忘れない。高校生の体格を考慮しながら、ジャンプして両手でつかむような見せ場を組み込んだ。

 五輪やワールドカップなどのコースを手掛けられる国際資格を持つ日本人は現在わずか5人。国内資格の石田さんは「他の人のコースや自然岩なども見て日々勉強している。いつか国体やジャパンカップなど、大きな大会のセットをやりたい」と夢を描く。

◇東京五輪、スポーツクライミングは「3種複合」◇

 2020年東京五輪のスポーツクライミングは、高さ15メートルの壁を登る速さを競う「スピード」▽高さ3~5メートルの壁に設けられた複数の課題(コース)に挑戦し、完登した数を争う「ボルダリング」▽制限時間内に到達した高さを競う「リード」-の3種目の「複合」で行われる。各種目の順位を掛け合わせたポイントの少ない選手が上位となる。

 ルートセッターが課題を設定するのがボルダリングとリード。選手たちは、事前に他の出場者のクライミングを見ると、課題を攻略するのに有利になるため、競技開始まで隔離される。

 数々の課題設定を手掛けてきた兵庫県宝塚市の一宮大介さん(24)は「作り手によって癖や特徴もある。『ここをこうして登ってほしい』というセッターの狙いと、攻略する選手の思いが交錯するのが見どころの一つ」と競技の魅力を語る。

 東京五輪で実施される複合は、総合力が求められる。日本はボルダリングでは強豪国だが、陸上の短距離走のような瞬発力が要求されるスピードが不得意なため強化を図っており、自国開催でメダル獲得を目指す。

 8月のアジア大会では女子複合で野口啓代選手が金メダルを獲得。9月の世界選手権複合は男子の原田海選手、女子の野口選手がともに4位に入ったのが日本勢最高だった。

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