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おそろいのTシャツなどを着てラグビー部を応援する近畿大の学生ら=2018年11月、大阪市鶴見区、鶴見緑地球技場(近大提供)
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おそろいのTシャツなどを着てラグビー部を応援する近畿大の学生ら=2018年11月、大阪市鶴見区、鶴見緑地球技場(近大提供)

 大学の運動部でつくる「体育会」といえば、勝利のために日々練習を積み、上下関係などの規律が求められる厳しいイメージ。同じキャンパスで学びながら、他のサークルや文化系の学生らとは交流が乏しくなりがちだが最近、一部で変化が見え始めている。大学側が「ファンクラブ」的な組織を設け、キャンパス内で観戦会を開くなどしてPR。多くの学生に自校の体育会を身近に感じてもらい、高校野球のような一体感や愛校心を育むことが狙いだ。(有島弘記、長江優咲)

 新体操部やカヌー部などが全国レベルの大会で活躍する武庫川女子大(兵庫県西宮市)は昨年11月、体育会の応援を目的とする会員ページ「LAVYS Nation(ラビーズ・ネーション)」を立ち上げた。専用ウェブサイトでは、各部の試合日程や結果のほか、大学周辺の飲食店の情報なども掲載。各店の割引クーポンも付けてアピールし、会員数は学生や教職員ら約1万人に上る。

 こうした取り組みについて、同大職員で学内スポーツの統括を担当する三好雅之さんは「一般学生と体育会の距離を縮めるため」と説明。さらに生で観戦できる機会を増やそうと、平日のキャンパス内で、他大学のバスケットボール部などと親善試合を開催。応援にダンス部なども加わって盛り上げ、学生の反応も上々という。

 応援される存在になるため、体育会のブランド統一から始めた大学もある。近畿大(大阪府東大阪市)は各運動部でばらばらだったロゴマークを、同大が完全養殖に成功した「近大マグロ」をイメージしたデザインとし、各部のニックネームも「近大BIG BLUE(ビッグ・ブルー)」に統合した。ユニホームもラグビー部などが刷新し、順次各部に広げていくとしている。

 学生の自主活動でもある体育会に、大学側が積極的に関わる背景には、今年3月に発足した「大学スポーツ協会(UNIVAS)」の存在がある。米国の全米大学体育協会(NCAA)を参考に、スポーツ庁が主導して設立を呼び掛け、近大を含む全国の大学、各競技連盟など254団体が加盟。兵庫県内では武庫川女子大のほか、甲南大(神戸市東灘区)や関西福祉大(赤穂市)など12大学・短大が入会している。

 学生スポーツの統括組織として選手の学習支援や安全対策を一体的に進め、将来的には、多額の放映権収入をビジネスの柱とするNCAAのように商業化を図る考えだ。

 体育会のブランド化を進める近大の鹿田昌司スポーツ振興センター事務長は「まずは体育会の中での一体感。それが学内全体に広まれば」と期待している。

     ◇     ◇

■不参加校、商業化に一線

 「UNIVAS(ユニバス)」を起点に大学スポーツのイメージ戦略が進む一方で、ユニバスに加盟せず、従来の路線を貫く大学もある。

 29度の学生日本一を誇るアメリカンフットボール部など、一般にも人気が高い運動部がある関西学院大(西宮市)は参加を見送った。同大スポーツ振興・統括課は「体育会の学生も一般学生と一緒にゼミで発表し、共に学ばなければ学内で認めてもらえない」と、まずは学業との両立に重点を置く。今春の新入生から、単位不足の選手を試合に出場させない制度を始めた。

 同じく不参加で、伝統のラグビー部が有名な同志社大(京都市)は、体育会活動の「教育」の側面を重視。体育会の学生や指導者向けに応急措置やコンプライアンス(法令順守)などの講習会を開く一方、ユニバスが構想に入れる大学スポーツの商業化には否定的だ。

 同大スポーツ支援課は「競技性に偏重したスポーツ施策は、『強ければ良い。勝てない自分には価値がない』といった、偏った価値観や誤った特権意識をもたらす可能性がある」とする。(有島弘記、尾藤央一)

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