20年前廃部のハンドボール部 復活わずか1年で初優勝 松陽中

2019/12/16 19:56

兵庫県中学校新人大会を初制覇した男子・松陽のメンバー。誇らしげにガッツポーズ=神戸市垂水区、神戸国際大付高(中村誠監督提供)

 強豪と知られながら約20年前に廃部していた中学校ハンドボール部が、劇的な復活を遂げた。8日に決勝が行われた兵庫県中学校新人大会の男子で初優勝を飾った高砂市立松陽中。昨年赴任した中村監督が学校側に直訴し、再始動していた。部員20人を束ねる指揮官は当初の練習環境から、自分たちを「アスファルト出身」と呼ぶ。 関連ニュース 「カメ止め」出演俳優がOB 甲南大「映研」が廃部状態から復活 「何で僕にサイン出すんですか」“超天然”糸井との出会いきっかけに脱暴力 実業団から個人契約へ 変わるアスリート支援の形

 中村監督は高砂市で育った元プレーヤー。育英高時代の2006年には兵庫国体があり、主将を務めた少年男子の準優勝に貢献した。
 指揮官は後進を育てるため、18年の着任直後、新入生向けの部活動紹介でジャンプシュートを披露した。「そのスピードの格好良さ。そこにほれた」という大竹主将ら“1期生”が入部したが、練習場所は校内のアスファルトの上。試合をしても相手は上級生ばかりで大敗が続いた。
 全員が競技初心者でもあったが、夏休みから体育館が使えるようになり「守って速攻。守備が命」を方針とする中村監督の指導で成長。今夏には1、2年生だけで県総体まで進み、今回の県新人大会は全3試合、10点差以上の完勝を演じた。
 「必ず全国大会に行こう」。今夏、網膜剥離の手術で一時離脱した大竹主将を中心にチームはまとまっている。来年1月、春の全国中学生選手権の出場を懸けた兵庫県代表決定戦を制すれば、再開わずか2年で悲願がかなう。(有島弘記)

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