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さまざまな競技で選手の栄養指導に携わってきた神戸女子大の坂元美子准教授=神戸市中央区の同大学
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さまざまな競技で選手の栄養指導に携わってきた神戸女子大の坂元美子准教授=神戸市中央区の同大学

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、学校の休校が長期化している。部活動も大幅に制限される中、気を付けたいのが食事管理だ。再開した時に良いコンディションで臨むためにはどうすればいいのか。スポーツ栄養学が専門の神戸女子大准教授の坂元美子さんに聞いた。(聞き手・山本哲志)

 -休校中の食事で大切なことは。

 「ウイルスにかからないためにも、まずは免疫力を高めて『はね返す力』を付けてほしい。栄養バランスがとても大事。以前から選手たちに勧めているのが、必要な栄養素を7色で表した『にじ色式』の食事です」

 -赤は肉や卵、黄色はご飯やパン、緑は緑黄色野菜やいも類、藍は乳製品、紫は果物…などですね。

 「毎食、七つの色を完璧に取ろうとするのは大変なので、昼に取れなかったら間食や次の食事で補って。ご飯にしらす干しをかけたり、野菜に粉チーズを振ったり、ちょっとの量でもいい。まずは意識することが大切」

 「外出自粛でおうちにいる時間が長いので、親子で一緒に料理を作りながら『七つの色、そろっているかな』と話し合うことも、食に興味を持ついい機会になる」

 -普段と比べて運動強度が落ちる中、体重を気にする選手は多い。

 「(体重減は)炭水化物を抜くのが一番簡単だが、炭水化物だけ減らしてしまうと、いろんな栄養素が効率良く利用されない。試合前の短期決戦ならいいけれど、自粛がいつまで続くか分からない中、そういう食事の取り方をすると体のどこかに不調が出かねない」

 「学生選手に多いのが、昼まで寝たり朝食を抜いたりしてしまうこと。生活リズムが狂うと体重増にもつながる。トレーニングの量は減っても、決まった時間にきちんと3食を取りながら、総カロリーを減らしてほしい。単にグラム数が減ったら、ストレスを感じたり物足りないと感じたりするかもしれない。野菜や海藻類、キノコ類をより多くして、油ものを意識して減らすといい」

 -近年は練習のしすぎによるエネルギー不足が健康問題になってきた面も。

 「本来、発育発達のためにスポーツをするはずなのに、結果を求めすぎて発育発達をないがしろにしてしまうのは本末転倒。きちんと食材や栄養のことが分かっていれば、『もっと食べてもいいんだよ』と。自粛の今だからこそ、成長のための栄養をしっかり取って、自分の体と向き合う時期にしてもらえれば」

 -成長期の子どもたちに伝えたいことは。

 「私自身、小さい頃から体がすごく弱かったんです。振り返れば、両親が共働きでインスタント食品をよく自分で作って食べていた。大学の4年間で栄養を学び、『自分の体に良くないことをいっぱいしてきたんだ』と気付けた。食事の内容が変わると、大学卒業とともに病院も卒業できた」

 「今の体は、今までに食べたものでできている。将来の体をつくるために今何を食べたらいいのか。自分が体験してきたからこそ、子どもたちにも、食事の大切さをもっと知ってほしい」

【さかもと・よしこ】大阪府高槻市出身。プロ野球オリックスの専属管理栄養士として日本一を経験し、母校の神戸女子大でスポーツ栄養学を教える。現在はJリーグのユースや富山第一高サッカー部、須磨翔風高野球部など、成長期のスポーツ選手への栄養指導を数多く手掛ける。

▽記者のひとこと

 オリックス時代から交流のあるイチローさんについて、「食べたいものを好きなだけ食べているだけと言っていたが、それも自分の体が分かっていたからこそ。体に必要なものが食べたいものになっていた」と太鼓判を押す。

【記事特集リンク】新型コロナウイルス

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