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過酷な練習で表情をゆがめる大矢勇気(右)。岩見一平トレーナーのメニューに食らいつく=西宮市内
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過酷な練習で表情をゆがめる大矢勇気(右)。岩見一平トレーナーのメニューに食らいつく=西宮市内

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、来夏に1年延期された東京パラリンピック。「正直、動揺はあったが、やるべきことをやる」。出場が内定している陸上車いす男子100メートルの大矢勇気(38)=兵庫県西宮市、ニッセイ・ニュークリエーション=は気持ちを切り替え、個人トレーナーとの練習で自らを追い込む。(有島弘記)

 昨秋のパラ陸上世界選手権で4位に入った大矢はコロナ禍が広がった3月下旬以降、拠点だった阪神間の練習場を借りられなくなった。自宅での練習で筋力を保つ一方、週1回、トレーナーの岩見一平さん(38)と、自宅近くの屋外でトレーニングを積んでいる。

 「めちゃくちゃきついですよ」。そう言って心拍数の計器を胸に装着すると、走行練習ができる専用器具に車いすの後部を固定。徐々に回転数を上げると、最後は30秒間の全力疾走と休憩を5回繰り返す。「180まで上げてみよう」。岩見トレーナーがスマートフォンに表示される心拍数を見て鼓舞すると、うなり声を上げて車輪をこいだ。

 計1時間半の練習では、太い綱の両端を持って上下に振るメニューも。濃密な内容について岩見トレーナーは「底力を蓄え、短い時間で出し切るポテンシャルを鍛えている」と明かす。スタートダッシュが得意な半面、後半の伸びを欠く大矢の持久力とラストスパートの能力を引き上げる狙いがある。

 練習中、何度も額に噴き出る汗を拭い、霧吹きで顔を冷やした大矢。「今がチャンス。モチベーションを下げた者の負け」。ともに自国開催での金メダルを目指す相方の言葉に、大きくうなずいた。

【おおや・ゆうき】西宮市出身。市立西宮西高(現・県立西宮香風高)1年時に解体工事現場で転落事故に遭い、下半身まひに。車いすバスケットボールを経て2005年から陸上車いすを始めた。床ずれによる入院生活などを経て、19年に記録を大きく伸ばした。7月に男子100メートルのアジア新記録となる17秒54をマークすると、11月の世界選手権で4位入賞。陸上の兵庫県勢で初めて東京パラリンピック代表に内定した。

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