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兵庫県のマスコット「はばタン」と写真に納まるバスケットボール少年女子の兵庫メンバー=2006年、神戸市須磨区(山中美佳さん提供)
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兵庫県のマスコット「はばタン」と写真に納まるバスケットボール少年女子の兵庫メンバー=2006年、神戸市須磨区(山中美佳さん提供)
兵庫国体の開会式で入場行進する兵庫県選手団=2006年9月30日、神戸市須磨区のユニバー記念競技場
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兵庫国体の開会式で入場行進する兵庫県選手団=2006年9月30日、神戸市須磨区のユニバー記念競技場

 2020年5月上旬の昼下がり。兵庫県西宮市にある西宮香風高の体育教官室では、バスケットボールの試合の映像が流れていた。

 世界は未知のウイルスに襲われ、東京五輪は1年の延期が決まった。日本では緊急事態宣言が発令され、兵庫県内の学校も休校に。部活動は自粛が続いている。

 夏の陽気になってきた。それでもウイルス感染を防ぐため、マスクは外せない。同校バスケット部顧問の高松一人(かずひと)は、汗をにじませながら語り始めた。

 「僕は滝井ちゃんって呼んでるんですけどね」

 14年前、兵庫県で開かれた国民体育大会(兵庫国体)のバスケット少年女子で、地元兵庫チームの主力だった滝井亜里沙(当時園田高)。

 名付けて「怒られ、愛され役」。178センチあり、チーム一の長身プレーヤーだった。

 高松は当時、兵庫のコーチとして監督の吉川公明(市尼崎高女子ヘッドコーチ)を支えていた。

 「滝井ちゃんは、ドライブのスピードがめちゃくちゃあって」

 普段のゴール下の役割とは異なる才能が、開花した瞬間。高松はあの日、目の当たりにした。

 映像では、兵庫の白ユニホームを着た選手らが躍動している。静まり返る校内に、歓声が響く。

 「そこに、福岡の森ムチャさん(当時中村学園女高)が守りにつく。森さんのサイズに対してだと、滝井ちゃんの速さが生きる。そう、吉川さんは考えたんだと思う」

 対戦相手の福岡は、身長180センチ近い森らを擁したスター軍団だった。

     ◇

 兵庫のバスケット界で語り草になっているゲームがある。

 06年10月、兵庫国体少年女子の2回戦だった。

 地元兵庫は、同年夏の全国高校総体で初戦敗退した選手らでチームを結成。05年末の全国高校選抜優勝大会(現全国高校選手権)の覇者、中村学園女高勢を軸にした福岡と戦い、終盤に猛追、延長に持ち込んだ。

 バスケット漫画の金字塔「スラムダンク」のハイライトは、主人公桜木花道らの湘北高が全国大会の2回戦で、絶対王者の山王工高を1点差で下すシーン。

 兵庫は1点差で敗れ、結末は違った。だが全国舞台で女王に肉薄する姿は、それをほうふつとさせた。全力の45分間だった。

=敬称略=

    ■

 新型コロナウイルスの流行で、アスリートは試合はもとより、練習も満足にできない苦境にある。今こそ、当時の高校生選手を通じてスポーツの力を見つめたい。(藤村有希子)

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